ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | サンパウロ市市長選=マルタがハダジに協力約束=立候補断念から10カ月で=早速セーラに言いたい放題

サンパウロ市市長選=マルタがハダジに協力約束=立候補断念から10カ月で=早速セーラに言いたい放題

ニッケイ新聞 2012年8月29日付け

 元サンパウロ市市長(2001〜04年)のマルタ上院議員(労働者党・PT)は27日、ルーラ前大統領と会食を行い、10カ月ものあいだ難色を示していたフェルナンド・ハダジ候補の支援に回ることを確認した。28日付伯字紙が報じている。
 マルタ氏は、サンパウロ市市長選への出馬の意志を持ちながらも、ルーラ氏がハダジ氏をPTの正式候補とする意向であったために、ルーラ氏とジウマ大統領に説得され、2011年10月に出馬を断念した。
 マルタ氏はその後もハダジ氏と会おうとせず、同氏への選挙協力についても難色を示し続けた。また、今年3月にカサビ現市長の社会民主党(PSD)が選挙戦をめぐってハダジ氏と同盟を組むのではないかとの噂(結局実現せず)が流れた際や、6月にPTの長年の政敵だったパウロ・マルフ元市長の進歩党(PP)がハダジ氏支援を正式に決めた際、マルタ氏はPTに対して批判的な発言も行っていた。
 21日の政見放送開始後もなお、ハダジ氏が同党の有力者でサンパウロ市内の支持者も多い元市長からの推薦がもらえないという事態に対応すべく、ルーラ氏はマルタ氏と話し合いを持つことを決断。27日はハダジ氏やマルフ氏を挟まない会食という形で会談を行った。
 会食は2時間に及んだが、終了後、マルタ氏は正式にハダジを支援することを約束した。「キャンペーンがはじまったら協力するって言ってたでしょ。私がいるのといないのとで大きな差が出るのはわかってるんだから。ハダジといっしょの政見放送でも街頭演説会でも、何でもやるわよ」とマルタ氏は語った。
 またマルタ氏は、民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ候補の批判も行った。セーラ氏は自身の選挙CMでハダジ氏がサンパウロ市の交通カードであるビレッテ・ウニコを1カ月(メンサル)の定期券にするという公約をメンサロン事件とかけて「ビレッテ・メンサレイロ」と呼んで批判したが、自分が市長だった2004年にビレッテ・ウニコを導入したマルタ氏は、「ビレッチ・ウニコ・メンサルなんて素晴らしいじゃないの。セーラは何でも楯突きゃ良いと思ってるのよ。あの人、支持率が落ちてきてるし、(私が選挙戦に乗り出すから)決選投票はルッソマノ対ハダジになるわよ」と語った。
 会談後、ルーラ氏はハダジ氏に大喜びで電話をかけ、ハダジ氏はマルタ氏に電話で感謝したという。また、マルタ氏は早速、ツィッターでPTの選挙公報担当の参謀、ジョアン・サンターナ氏と連絡を取り合った。