ニッケイ新聞 2012年8月29日付け
香川県出身の映像作家、吹田祐一さん(27)の短編映像作品「How Beautiful Japanese Morning is」(邦題・美しき日本の朝、15分)が23日から開催している「サンパウロ国際短編映画祭」の国際部門で入選を果たした。
今年23回目を迎える南米最大規模の短編映画祭で、35分以内にまとめられた短編作品が3部門(国内、南米、国際)に分かれ募集された。
世界各国から約2500作品が応募は最も狭き門で、国際部門では吹田さんの作品含む63本が選出され、サンパウロ市内の映画館で上映されている。全て入場無料。
同作品における作中の設定は「ある家庭の東日本大震災翌日の朝」。15分間の上映で日本人女性が淡々と朝食をつくる様子が映し出され、震災後に頻発した余震への感情の機微が独特の表現で描かれる。
23日に来伯した吹田さんは、日本国内の映画祭では全て落選したことを明かし「本当に救われた思い」と喜ぶ。「被害の少ない東京に住んでいた自分なりに、地震後に感じたストレス・苦しみを映画に注ぎ込んだ。分かり辛い部分もあるが、考えをめぐらせ想像しながらみてもらえれば」と呼びかけている。
本日29日午後7時からEspaco Itau de Cinema(R. Augusta, 1470)が最終上映。その他映画祭に関する情報は公式サイト(http://www.kinoforum.org.br/curtas/2012/en/)まで。