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連邦公務員スト9割妥結=3年かけ15・8%調整=警察部門などはなおも反発

ニッケイ新聞 2012年8月30日付け

 連邦公務員によるストは、2013〜15年の3年間で15・8%の給与調整という政府側の案を呑む形で90%妥結した。28〜29日付伯字紙が報じている。
 28日、企画省のセルジオ・メンドンサ労働関係局長は、連邦公務員の給与を2013〜15年の3年間に5%ずつ調整して行き、最終的に15・8%上昇させるという政府案の変更はありえないことを明らかにした上で、ストを続けていた35部門の代表者らと再交渉を行った。
 同局長によると、28日の再交渉で合意に達したのは30部門。メンドンサ氏は残る部門とも交渉を続け、29日中には全ての部門との合意を目指したいとしている。
 前述の調整案に最初に合意したのは、他の部門よりも給与が安く、保健省や労働省、経済省、運輸省などの官僚管理部門を含む公務員労働委員会(Condsef)だった。また、保健省のオズワルド・クルス研究院(Fiocruz)や通産開発省の国立工業所有権院(INPI)、各種規制の監督機関なども加わり、全部で30部門が合意に達した。
 一方、28日の再交渉でも応じなかったのは連邦捜査官や連邦警察、税関の会計員や分析員、国立植民農地改革院(INCRA)など。全国連邦警察連盟(Fenapef)は30日に全州の代表をブラジリアに集め、次のストを行う日取りを決める予定だという。
 また、31日はジウマ大統領が議会に予算案を提出する期限だが、メンドンサ氏によると、合意に達しなかった部門は2013年の給与調整が無効となり、その部門とは13年に話し合いを持った上で14年以降の供与調整の方法を決める意向だという。
 現在、連邦公務員に支払っている給与の合計は1500億レアルにのぼるが、この調整により3年で200億レアル以上の支出増となる。また、スト期間中の減給処置取り下げに関しては、公務員がストを停止して職場に戻ることを前提に、後日交渉を行うという。
 一方、28日の交渉で合意に達しなかった部門の一つは国家衛生監督庁(ANVISA)。同庁のストのために荷物の検査などが止まっていることで、サントス港では28日現在、80隻以上の船舶が海上に止まったままの状態になっている。輸入医薬品の通関作業が止まっているために、ポルトゲーザ・デ・サントス福祉病院などが手術に使う薬品の不足などを理由に一時閉院した。