ニッケイ新聞 2012年8月30日付け
政府が電気代の料金を工業部門と一般家庭で共に値下げする予定であると29日付フォーリャ紙が報じている。
フォーリャ紙によると、政府は9月に電気代に関して工業部門で20%、一般家庭で10%の電気代の値下げを行う予定だと報じている。これはまだ決定事項ではなく、政府は現在もコストの切り詰めがまだ可能かどうかを探っている状態だと言うが、8月31日に議会に提出される予算案には最終決定したものが盛り込まれる見込みだ。
これはジウマ大統領が13年の国内総生産(GDP)を4%にするための新戦略で、企業側の要望に応えたものとされる。ブラジルの産業は製品コストの高さに問題があり、それが産業の成長を阻むものとされて来たからだ。
ブラジルの現在の1キロ・ワットにおける電気代は329レアルで、これはドイツや米国、アルゼンチンの約2・31倍、中国やインド、ロシアといった他のBRICS諸国の約2・34倍、チリやメキシコ、パラグアイの約1・67倍となっている。政府と企業側の代表たちは、エネルギー・コストを下げるための交渉を年初頭から行っていた。
現行の法律では、水力発電所の契約は2015年まで有効で、入札をやり直す場合はそれ以降となっている。政府による新しい対策案では、電力会社との交渉は2013年から行うとし、13年のうちに企業と一般家庭の電気代を下げたいとしている。だが、企業側が既に発電所への投資を済ませている場合、発電所の運営や維持のためのコストを電力会社がどうやって下げるのかが問題となる。
この値下げに関して政府は既に燃料消費費、エネルギー開発費などを廃止する問題を解決しているという。