ニッケイ新聞 2012年8月30日付け
ブラジリアに本社を置くコンサルティング会社「ケンブリッジ・コンサルタント」(1994年設立)は先月27日、トカンチンス州で日本と同州の企業家の関係を強化することを目的に、自社のコンサルティング・サービスの重要拠点と位置付ける同州事務所を改装ならびに拡張し、開所式を行なった。
同州都パルマスを中心に、日本の本州とほぼ同じ面積をもち、今後大いに開発の期待がかかる同州への日系企業の進出を支援する。同市の新事務所で行われた開所式には河野賢二代表、ジョゼ・ウィルソン・シケイラ・カンポス知事ら州政府関係者が出席した。
河野社長は「トカンチンス州は日本の投資家の期待に応えるだけの勤勉な州民と豊かな土地を抱えている。ビジネスチャンスの高まりを受け、今回の拠点強化に踏み切った」と説明し、「州の発展にますます貢献していきたい」と意気込んだ。
同社はブラジリア、ゴイアニア、サンパウロ、ワシントン、東京に拠点をもち、州の自治体や民間企業と日本企業の架け橋的存在として、鉱物資源、紙パルプ、食糧加工、アグリビジネス、バイオマスや太陽光などの再生可能エネルギー分野への日本企業の参入に向けたコンサルタント業務を強化する。
既に同州農村電化プログラムや州道路網整備計画向けに、世界銀行、国際協力銀行(JBIC)などから約6億レアルの融資を獲得した実績がある。開所式ではその功績をたたえ、グランドオフィシャル勲章が州知事より河野代表に授与された。
同社は日伯両国の政治、経済、文化の専門知識を備える日本人及びブラジル人スタッフが市場調査や実現可能性に関する事前調査、プロジェクト・ファイナンスへの支援、新規進出・事業拡大戦略の立案など幅広いビジネスサポートを行なっている。