パラー州=クリオ少佐らが裁判へ=アラグアイアのゲリラ誘拐
ニッケイ新聞 2012年9月1日付け
パラー州の連邦地方裁判所が8月30日、軍政時代に政治犯の誘拐や極秘監禁を行った予備役少佐2人に対する連邦検察庁の告発を、恩赦法を適用させずに受け入れた。8月31日付エスタード紙が報じている。
告発を受け入れたのはマラバーにある第1地区連邦地裁のナイール・クリスチーナ・コラード・ピメンタ・デ・カストロ判事で、告発されたのはセバスチャン・ロドリゲス・デ・モウラ(通称クリオ)少佐とルシオ・アウグスト・マシエル少佐の2人だ。
クリオ少佐はアラグアイア地方でブラジル共産党(PCdoB)を中心とする左翼ゲリラの取締りが行われた時(1972〜74年)の責任者の一人で、5人のゲリラを誘拐した疑いを持たれている。マシエル少佐は1973年12月14日から行方不明になっているゲリラの誘拐を行ったとされている。
連邦検察パラー支部は、誘拐されたゲリラが行方不明のままであることから、刑法148条の誘拐や監禁の項目に基づいて告発した。ナイール判事は、「極秘監禁などの誘拐は恒久犯罪に値し、1979年施行の恩赦法の対象にはならない」としてこれを受け入れた。軍政時代に軍人が行った政治犯誘拐の告発が裁判所で受け入れられたのはこれがはじめだ。クリオ少佐に関しては今年の3月にも告発が行われたが、パラー地裁の代行判事が受け入れず、再告訴となっていた。
2度にわたる告発は、軍政時代の軍や警察による人権侵害の処罰を求める「移行期の正義追求グループ」によるものだ。この団体は連邦検察庁内にあり、62の事例を追求中。これまでに三つの告発を行っており、そのひとつがサンパウロ州軍警大佐カルロス・アルベルト・ブリリャンテ・ウストラ大佐らに対するものだったが、サンパウロ州の連邦地裁が受け付けなかった。