サンパウロ市の地下鉄40周年=まだまだチミドな78キロ=15号線入札規定も発表
ニッケイ新聞 2012年9月4日付け
サンパウロ市地下鉄が、9月6日に試運転から40周年を迎える。拡張ペースは当初予想の半分以下で今も走行距離78キロという小心者(チミド)の地下鉄だが、8月31日にはグアルーリョスまで乗り入れる15号線の入札規定も発表済みと2日付エスタード紙が報じた。
サンパウロ市の交通事情の改善には地下鉄の導入をとの意見がエスタード紙に掲載されたのは1927年9月2日。世界に先駆けて地下鉄を導入したロンドンは1863年1月10日の操業開始だから60年以上経て出てきた声だが、当時の市民には奇想天外な見方だった。
ところがその後、様々な形で企画が練られ、1968年4月24日にメトロポリタン公社(Metro)が発足。同年12月15日には地下鉄工事の開始のため、ドミンゴス・デ・モラエス街〜ジャバクアラ大通り間が通行止めとなった。
このようにして準備が進み、1972年8月に列車車両が到着。試運転が行われたのが9月6日だった。車庫からジャバクアラ駅までを運転したアントニオ・ラザリニ氏は、20歳の時に機械技師として勤めていたVarig社を辞め、海のものとも山のものともつかないMetroに就職。父親は気が違ったのかと文句を言ったが、時のエミリオ・ガラスタズ・メディシ大統領がボタンを押しての試運転に抜擢され、現在も同公社に勤める最古参の1人だ。
10人程が乗った最初の列車は400メートルを時速20キロで走り、約2千人と共に到着を待っていた時のフィゲイレド・フェラス市長はラウド・ネタルサンパウロ州知事から抱擁を受けた。
操業開始当時の地下鉄は1日353キロを走ったのみだが、現在の地下鉄は1日6万7千キロを運行。1977年は6キロだった路線は78・1キロまで延び、乗客数も54万2千人が440万人に増えている。
とはいえ、72年1月に「20年もすれば何十本もの線が走るようになる」と予告した人さえいた地下鉄は、現時点でも5路線のみで、路線の長さも、ロンドンの400キロやニューヨークの369キロ、モスクワの305キロなどに遠く及ばないのが実態だ。
サンパウロ市を東西に横切る3号線(赤)はピーク時に1平米当たり10人が乗り、世界一混む線として知られているが、州政府は、現在4路線の工事が行われており、2013年3月には五つ目の線も工事開始と約束。8月末に入札規定発表の15号線(白)は2号線(黄)の延長ともいえ、オルファナト〜ヴィラ・フォルモーザの7駅、13キロが2017年、3号線(赤)やパウリスタ都電公社(CPTM)とも繋がるギリェルメ・ジオルジ〜ヅットラの8駅、8・7キロが2019年に営業開始の予定だ。