ニッケイ新聞 2012年9月5日付け
ブラジル中西部日伯協会(伊沢祐二会長)主催の『第2回マット・グロッソ日本七夕祭り』が先月31日〜9月2日の3日間に渡ってマット・グロッソ州クイアバ市のショッピングセンター駐車場で開催された。「O Japao esta mais Chapa e Cruz do que nunca(日本もクイアバ市民の仲間入り)」のスローガンの下、七夕飾りと鯉のぼりが泳ぐ会場には昨年の約2倍となる約6万人が来場した。
今年6月に任期を終え帰国した大部一秋元在聖日本国総領事が、一昨年末にクイアバ市を訪問した際、「日系イベントを」と提案したことがきっかけ。
フランシスコ・ダウトロ副知事主導で州政府の後援を受け、昨年9月末に初開催、約3万人を集客した。
2回目となった今回の来場者は約6万人と倍増した。クイアバ市とマット・グロッソ州の公式行事として登録されたほか、州政府からの助成金は10万レアルから23万レに。名実ともに地域を代表する日系イベントに成長した。
開会式には、ジョアン・ライノ同州文化局長、ルイス・ポサン同市文化局長、在聖日本国総領事館の中山雄亮副領事らが出席した。
挨拶に立った尾崎堯名誉実行委員長は「単なる一つのイベントではなく、日伯の親善交流と日系コロニアの連携・親善にも大きな役割を果たす祭りとなった」と挨拶。
ダウトロ副知事も「多くの人々を魅了し、州内外を問わず、多くの観光客を呼び込むことが出来る」と開催を喜んだ。
ロンドノポリス、シノッピ、タンガラなど同州各地の日系団体による28の食ブースと15のバザリスタが並んだ。
今年6月に結成された「クイアバ老壮会」も手作り料理とリサイクル品販売のバンカを出店。播磨政美さん(61、北海道)は「会として初めてのイベント参加。仲間と協力して作業するのは楽しい。日本人の絆が深まるね」と笑顔。
メインステージでは3日間を通して和太鼓、YOSAKOIソーラン、ストリートダンスやカラオケなど多彩な演目が披露された。
中尾勝子さん(66、二世)=クイアバ市=は「日本文化を伝えるイベントがクイアバにも誕生したことは本当に嬉しい。ステージで歌う孫の姿も見ることが出来たし、言うことなし」と満足げに語った。
3日間忙しげに会場を走り回っていた伊沢会長は「駐車場の不足などの反省点はあるが、これだけ多くの来場があったことは嬉しく思う。さらに知名度を上げられるよう活動していきたい」とほっとした様子を見せながらも次回開催に向け、表情を引き締めていた。