ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
リオの川面を火が走る=汚染物質に飛び火で火事
ニッケイ新聞 2012年9月6日付け
サンパウロ市南部で今年32件目のファヴェーラの火災が起きた3日、リオ州のドゥッキ・デ・カシアスでは、カロンベ川の川面に火が走り、岸辺の民家や住民に被害が出たとブラジルメディアが伝えた。
カロンベ川は同市を横切る小川で、工場などから流れ込む排水に油や可燃性物質が混じっているため、川面にはいつも黒いシミが出来ている。
3日の火事は、川辺に住む住民がゴミを燃やそうとしたところ、川面の汚染物質に引火して瞬く間に広がったもので、炎が4メートルに達した所もあった。水際に並ぶ民家の中には川からの火が原因で火災が起きたり塀や壁がすすけた家も出た他、煙に含まれる有毒ガスで中毒症状を起こした人も30人いた。
鎮火直後の川の水を汲み、油で真っ黒になったペットボトルを見せた住民は、「川の汚れを何とかしてほしいと何度も訴えてきたが企業も行政も何もしてくれない」と諦め顔だ。川が浄化されない限り、同様の事故を繰り返す可能性は高いが、国内には同じような問題を抱える川が少なからずあるはずだ。
なお、1千人以上が焼け出されたサンパウロ市のファヴェーラ、ソニア・リヴェイロでは4日、焼け跡に残る硬貨などを探す住民らの姿も見られた。