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県連=来年の日本祭り、開催中止!?=会場賃料未定が懸念に=早々に臨時会議で決断か

ニッケイ新聞 2012年9月6日付け

 「来年の日本祭開催は非常に難しい」——。先月30日にあったブラジル日本都道府県人会連合会の代表者会議。園田昭憲・県連会長の言葉に各県人会長はどよめき、賛否両論が噴出、慎重論も強かった。会場となるサンパウロ市イミグランテス展示場の使用問題が大きな懸念材料となっている。早々にも臨時会議が開かれ、9月中旬をめどに開催の可否が決定される見込みだ。20万人を集客する世界最大級の日本祭りはもう見られないのだろうか…。

 イミグランテス展示場はサンパウロ州政府の所有で、経営を民間企業に委託している。その経営権を巡る入札が来年3月に控えていることで賃料の交渉先が定まらず、現時点で予算を確定できないことが主な問題点だ。
 執行部役員の山田康夫氏(滋賀)は、「仮に所有企業が変わらなかったとしても、賃料の大幅値上げは避けられない」と話し、支出高騰を示唆した。「当初5万レアルで始まった賃料は昨年が18万、さらに今年は25万まで引き上げられた。特殊な条件の中で、上げ幅がわからないまま計画を進めていくことはリスクが高すぎる」との声も出た。
 同じく執行部役員の本橋幹久氏(鳥取)は「何とかして開催したいが、一旦始めたら、結果としてどれだけお金が掛かることになってもやめられない。感情的にならずに慎重にならないと。他の会場も探しているが中々…」と渋い顔を見せる。
 一方で、大矢進貞氏(神奈川)は「実質的にコロニアを代表する、世界最大級と言える日本祭をそう簡単にやめることは許されない。やる、やらないといったレベルの話ではない」といった主張もあり、意見の取りまとめは困難を極めることが予想される。
 入札後の新運営会社の方針によっては、アルキバンカーダの取り壊しや「食の広場」スペースへの新建造物の建築が行われる可能性もあり、会場の設営に大変更が生じる可能性がある。
 執行部役員らは「10月までに企業に声をかけ始めなければ資金の確保は困難になる」と話す。従来なら8月中に決まる実行委員長と大会テーマも9月初旬時点で未決定。スポンサー交渉も進んでおらず、開催可否の決定は喫緊の問題だ。
 園田会長は「プラス50万レアルほどのスポンサーで済むなら私が責任を持って集める。やめることも選択肢だが、開催もまたもう一つの選択肢」と会議を締めくくった。