ニッケイ新聞 2012年9月6日付け
最近、日系人に間違われることが増えた。ブラジル人に道を聞かれたり、日本語で話していても日系人と思われていたりする。
来伯当初は街を歩いていると、「ジャポネーザ!」「どこから来たの?」などとよく声を掛けられた。今それがめっきり減ったのは、2年経って環境に馴染み、自分でも社会の一員のような気が少ししてきたせいかもしれない。
コラム子は日本に7年間駐在していたドイツ人と結婚したが、彼は最後の最後まで〝外国人〟のままだった。若者がふざけて「ハロー」などと声をかけてきたり、一緒に歩くとジロジロ見られたり、居心地の悪さを感じたものだった。
とはいえ、伯社会にまったく溶け込めるかといえば、それはそれで難しい。しかし、まるで現地人のような顔をして過ごせる国はそうない。「人種のるつぼ」の意味をつくづく肌で感じる。(阿)