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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年9月6日付け

 本来、文協がやるべき事業なのだろう。しかしやる気も能力もノウハウもないのであれば、他団体がやることに何の問題があろうか。県連が現在行なっている地方との交流事業である。すでにポルトアレグレ、クイアバ、来週末にはベレンの日本祭りに出張するという▼全てではないが、県連が持つ交流金から補助も出るようだ。もちろん出向く団体の意欲や好意が前提にあり、人と人との交流は自然に生まれるだろう。これが継続すれば、コロニアの活性化にも繋がる。それもこれも「世界最大級の日系祭り」の名が世に轟いているからだ。実際、クイアバの実行委員会は視察の上、招待する団体を選んでいる。ところがー▼「継続は困難」と執行部が頭を悩ませている(本日付け7面詳細)。会場の使用問題なのだが、今さら他の場所というのも時間的に難しいだろう。中止となれば困るのはどちらか。強気で交渉にあたってもいい。まずは内部調整で園田昭憲会長の手腕が問われるところだ。開催可否は来週に持ち越された▼同会議ではそれに加え、7月末にあったロードレースでの約10万レの赤字が発表され、責任追及の声も含めて紛糾した。関連事業として日本祭の会計に入っており、事業自体の収支が明確ではないことが釈然としないものを与えているようだ▼年に一度、日系、非日系を問わず、老若男女が日本文化の旗印の下、集う場を失うのは余りに惜しい。ただ、郷土食祭りに始まった同祭は15回を迎え、肥大化すると共にマンネリの感も否めない。一度原点に立ち戻り、身の丈に合った形での運営見直しを図るべき時期に来ているのかも知れない。(剛)