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サンパウロ州に水不足のおそれ=ピラシカバで水位に問題

ニッケイ新聞 2012年9月7日付け

 サンパウロ州では7週間雨が降らない状態が続き、カンピーナス、ジュンジアイー、ピラシカバなどで水の供給に問題が生じている。5日付エスタード紙が報じている。
 サンパウロ州内陸部のピラシカバ=カピヴァリ=ジュンジアイー(PCJ)水源地帯では、湿度10%という砂漠並の異常乾燥で川の水位が下がり、カンピーナスやジュンジアイー、ピラシカバに住む500万人への水の供給が難しくなりはじめた。これを補うため、サンパウロ州水道局(Sabesp)はサンパウロ市の大部分に水を供給しているカンタレイラ水系の水の内陸部向け放水量を8月31日から4千リットル/秒から7500リットル/秒に引き上げた。この放水量増加で、サンパウロ市への水の供給に問題が生じることはないという。
 水不足が懸念されるため、サンペドロでは13〜17時の給水制限を開始。ピラシカバ川は2・1メートルあった水位が65センチ落ちて川底も見えはじめており、同川から水を得ているアメリカーナも取水が困難になってきた。カンピーナスではまだ緊急事態ではないが、アチバイア川の水量は毎秒2万リットルから1万5千リットルに下がっている。
 カンピーナスの防災局によると、山あいでは今年すでに42件の火事の報告があった。昨年は同時期までに18件だったから、異常乾燥で火災が起きやすくなっていることがわかる。
 Sabespによると、サンパウロ市では今のところ水不足の問題はないという。アウト・チエテの貯水池は48・1%、カンタレイラの貯水池は67・3%と、水位がさがっているが、サンパウロ市最大の水の供給源であるグワラピランガの貯水池の水位は76・5%で、昨年の同時期の60・3%よりむしろ多いという。