ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | リオ=軍警がファヴェーラ占拠=6人の青年惨殺事件受け

リオ=軍警がファヴェーラ占拠=6人の青年惨殺事件受け

ニッケイ新聞 2012年9月13日付け

 リオ市で10日、6人の若者が犠牲になる大量殺人事件が起きたことを受け、特別機動隊(Bope)がファヴェーラ・ダ・シャツーバを占拠して捜査に乗り出した。11〜12日付伯字紙が報じている。
 10日朝、フルミネンセ海岸部のヅットラ街道近くの採石場に16〜19歳の6青年の死体が発見された。死体は1列に並べられ、裸にされて縛られ、猿轡までされていた。銃弾と刃傷が致命傷になったと見られ、残忍な見せしめ的〃処刑〃と警察は見ている。
 ニローポリス在住の6人の青年たちは8日、居住地から4キロ離れたジェレシノー自然公園にある滝に水浴びに出かけていた。その帰りが遅いために、青年らの父親の1人が携帯電話に連絡を入れたところ、知らない男がでて「いま任務を遂行中だ」と答え、再度電話を入れたところ「あいつはもう殺した。次のガキを殺す」と答えたという。
 被害者兄弟が釈放を求めて、ファベーラ・シャトゥーバまで出向いて交渉したところ、犯人はその青年らをライバル・グループ〃アレモン〃の麻薬運び人だと勘違いしていたことが分かった。
 この事件を受け、リオの軍警は11日朝、特別機動隊(Bope)を250人動員してシャトゥーバ地区を占拠して犯人逮捕に乗り出し、G1サイトによれば12日午前中までに関係したと見られる20人を逮捕した。ただし、まだ犯人本人が特定されておらず、青年らの殺害現場も分かっていない。軍警は6人の青年たちのほかに、この地区で起きた2人の男性の殺人と1人の青年の行方不明に関しても、同運び屋グループによる犯行と見て捜査を進めている。
 リオのセルジオ・カブラル・フィーリョ知事は11日、この事件を「平和部隊(UPPs)の導入以降、支配地を失い逃げ回っている運び屋たちによるものではないか」との見解を示した。