ニッケイ新聞 2012年9月13日付け
国際的な自然保護団体IUCN(国際自然保護連合)が韓国の学会で11日に発表した、絶滅の恐れがある野生生物(動植物)のリストに上げられた百種のうち、ブラジルの生物が5種含まれていることがわかった。12日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。
5種はアメリカ大陸で最大の猿と言われるムリキ(Muriqui-do-norte)、セアラー州にのみ生息する鳥のヘルメット・マイコドリ(Soldadinho-do-araripe)、南東部の山脈セーラ・ド・マールに生息する蝶のActinode Zikani、セラードに生息するマエモンジャコウ・アゲハ(Parides burchellanus)、最も貴重なのが、サンタカタリーナ州フロリアノーポリス近くの島Moleques do Sulに、わずか40〜60体のみ生息するといわれるサンタカタリーナ・モルモット(Cavia intermedia)だ。
リスト作成に協力したロンドン動物学会のジョナサン・バイリエ氏は「これら百種のうち、関係当局から注意を向けられているのは半分」と指摘しており、「人間の実利とはかかわりのない動植物でもすべて価値があり、地球の生態系の一員としての役割をもっている」と注意を喚起した。