サンパウロ市イタインでビル振動=住人約70人が緊急避難
ニッケイ新聞 2012年9月15日付け
13日、サンパウロ市南部イタイン・ビビ地区の18階建てビルで突然強い振動が起き、倒壊の恐れが出たため、住人が避難させられるという事態に発展した。14日付伯字紙が報じている。
問題となったビルはイタイン・ビビ地区のデゼンバルガドール・アギアル・ヴァリム通り6番にあるエジフィシオ・イヴァニーで13日午前8時30分頃、強い振動で住人がベッドから落ち、9時10分頃、消防隊と市警備隊、ピニェイロス区役所に通報された。倒壊の恐れありと判断されたためビルは封鎖され、住人は避難を余儀なくされた。
サンルイス病院が所有する同ビルは18階建てで、平均床面積は110平米、29のアパートに70人ほどが居住し、1階部分には15店ほどの店や軽食店が入っており、一部屋はサンルイス病院関係者の更衣室として使われていた。
このビルは8月初旬から、住人の駐車場がある地下の舗装工事を行っており、8月11日には最初の揺れが確認され、5時間に及び住人が避難する事態が起きていた。
今回の揺れはそのとき以来のもので、市警備隊のジャイール・パカ・デ・リマ司令官によると、同ビルの3本の柱が重さに耐え切れなくなり揺れが生じたという。市警備隊は、同ビルが崩壊しアギアル・ヴァリム通りや、それと交差するサント・アマーロ大通りに危害が及ばないよう、改修工事が完成するまで、24時間態勢でこのビルの見張りを行うという。
一方、避難を強いられた住人たちはほとんどが友人や肉親宅に一時移転し、午後からは警備隊立会いのもとで家財を取り出し、19時20分頃、同病院の代表にホテルを2軒紹介された。だが、立替払いの上、1泊400レアルしたことから住人から不満が上がった。同病院は問題となった舗装工事について「契約した業者側の問題だ」との見解を示した。
ビル倒壊の問題は最近ブラジル各地で目立ち初め、1月にはリオで17人が死亡する事故が起きている。