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サンパウロ市市長選討論会=セーラとハダジが激論=ルッソマノには食いつかず=第2次投票見すえてか=「同じ議論の繰り返し」とも

ニッケイ新聞 2012年9月19日付け

 第3回目となるサンパウロ市市長選候補によるテレビ討論会が17日夜に行なわれ、支持率で2位グループのフェルナンド・ハダジ候補(労働者党・PT)とジョゼ・セーラ候補(民主社会党・PSDB)は激しく言い争ったが、支持率1位のセウソ・ルッソマノ候補(ブラジル民主党・PRB)との論争は控えめだった。18日付伯字紙が報じている。ルッソマノ候補の支持率は飛びぬけているが過半数には足りない。その状況から、過半数が必要な第1次投票では決まらず、1、2位のみが争う第2次投票にもつれ込んだ時、ハダジ、セーラ両候補とも1位と組もうと考えており、敢えて論争を避けているとの推論も出ている。

 TVクルトゥーラ局とエスタード紙、インターネットのユーチューブが共同開催した今討論会では、第1部はルッソマノ氏への質問に絞ろうとしたが、セーラ氏は「個人攻撃はしたくない」と拒否し、ハダジ氏もそれに追随した。
 ルッソマノ氏に対してはじめて批判を投げかけたのは、セーラ氏だった。ウニベルサル教会がキャンペーンの背後にあることを指摘し、さらに出席したジャーナリストも「当選したらウニベルサル幹部を市の要職につけるのでは」という質問を受けたルッソマノ氏は、「PRBは80%がカトリック」との発言を繰り返した。
 また、健康保険(プラノ・デ・サウデ)はセーラ氏が市長だった時から混乱し始めたとルッソマノ氏が批判的に質問したところ、セーラ氏は「混乱しているとは思わない」と答え、代わりにルッソマノ氏が数々の汚職で知られるパウロ・マルフ元市長(進歩党・PP)と同盟を組んでいたことを批判した。
 この日もっとも白熱したのはセーラ氏とハダジ氏の議論だった。ハダジ氏はセーラ氏が06年に任期を2年残して市長を辞めたことに言及すると、セーラ氏は「マルタだって文化相を引き受けるから上議をやめるじゃないか」と返し、さらにハダジ氏は「まだマルタは上議を辞任するとは言ってない。後任人事次第」と返した。
 またハダジ氏は、セーラ氏の「ジウマ大統領はサンパウロ市のことをわかってない」との批判について質問すると、セーラ氏は「大統領を批判したつもりはない」といったんは語調を弱めたが、マルタ氏がハダジ氏の支援をはじめた直後に文化相の指名を受けたことに対しては、「PTはサンパウロ市市長選のために国政を私物化した」と厳しく批判した。
 それに対しハダジ氏は「ジウマは国民の80%から支持されていますが、あなたは市民の80%から支持されていないカサビ市政を肯定されていますね」と返した。
 討論の後、エスタード紙サイトは「誰がもっとも討論上手だったか」のアンケートを行ったが、18日午前現在でハダジ氏とセーラ氏が他を引き離す形で上位を占めた。だが、この討論を見た視聴者からは「同じような発言ばかりを繰り返して、肝心な答えをしていない」との反応が見られた。今回も「謙虚さが受けている」と評されるルッソマノ氏への評価は保たれたようだ。