ニッケイ新聞 2012年9月22日付け
中堅・中小企業経営者を対象に経営サポートを行う日本経営合理化協会(東京都千代田区、会員約11万社)が主催する、日本全国のオーナー企業経営者からなる経済視察団(高島健一団長・有限会社高島事務所)が20日来伯し、27日までサンパウロ州内を中心に各地を訪れる。
世界から注目を浴びるブラジルの市場と潜在力などを実際に目にし、幅広くビジネスの可能性を探るもの。製造業などを中心とした9社13人の経営者らが参加し、サクラ醤油、MNプロポリス、エンブラエル、ヴァーレなどの企業、サッカースタジアムやイグアスの滝、ショッピングセンターなどを訪問する。なお、参加した9社は既に進出、あるいは1年以内に進出を予定している企業がある。
「資源、農業、工業の3本柱が揃った世界一恵まれた国で、親日家も多い」と魅力を強調する熊谷聖一専務理事(60、新潟)は、GDP比6割が個人消費で国民の購買力も高いとして「生産拠点としてだけでなく販売拠点として可能性があるのでは」と期待する。
参加企業の多くは中小規模ながら、様々な分野で高いシェアを占める優良企業経営者ら。「常にアンテナを張り巡らせている企業経営者にブラジルを実際に見てもらい、先人が移住されたときの気概をもってビジネスに携わる人々の起爆剤になれば」と期待した。
年に2回の海外視察ツアーを企画しているという団長の高島氏(57、東京)は、「興味があったものの都合がつかず断念した企業も多かった」と、日本国内でのブラジルへの関心の高まりを挙げた上で、「日系人やデカセギなどの存在で身近ではあるが、両国はまだまだ遠い。それをどう縮めるかが今後の課題」と話した。