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クレジットの利下げ相次ぐ=リボ払いの不払い解消へ

ニッケイ新聞 2012年9月26日付け

 政府からの圧力に押される形で、主要銀行が軒並みクレジットカードの利子を半減させはじめていると25日付伯字紙が報じている。
 24日、ブラデスコ銀行は11月1日から実施するクレジットカードの利子率の変更を発表した。それによると、リボルビング払いの場合は上限が月率で14・9%から6・9%、分割払いの場合は月率で8・9%から4・9%下がることとなる。また年率はリボルビング払いが122%、分割払いの場合は77・5%が上限となる。
 この約50%前後の利下げに関しては、8月にイタウ銀行、9月初旬にブラジル銀行や連邦貯蓄銀行(CAIXA)も同様の動きを見せていたが、これは政府の思惑があると見られている。
 リオに拠点を置く消費者協会「ProTeste」の調査によると、今年7月のブラジル人1人あたりのクレジット年率は323・14%だった。これはペルーやチリ、アルゼンチンの6倍、メキシコ、ベネズエラ、コロンビアの10倍にもあたる高率で、さらにリボルビング払いの年率平均は878・7%に及ぶという。リボルビング払いは28%が債務不履行に陥るなど、ブラジルのクレジット業界における最大の問題とされてきた。
 全国経営・財務エグゼクチブ協会(ANEFAC)のミゲル・デ・オリヴェイラ副会長は「今回のブラデスコ銀行に他の銀行も追随することになるだろう」と語っているが、HSBC銀行は利下げのための準備中であることを明かし、サンタンデル銀行も検討に入る予定だという。
 この主要銀行の相次ぐ利下げにより、ブラジル全体のクレジットの平均利率も大幅に下がることが予想される。2009年8月から2012年8月まで、平均利率は10・66〜69の間で推移しており、特に10年2月から先月までは10・69で一定だった。