ニッケイ新聞 2012年9月27日付け
17歳の自閉症の少年が24日夕方、サンパウロ州タボン・ダ・セーラ市ジャルジン・ビトーリア区にある支援施設の教室に置き去りにされたと26日付フォーリャ紙、エスタード紙などが報じた。
少年は鍵がかかった暗い教室の中で5時間以上に閉じ込められ、午後11時半頃に同市警備隊によって保護された。
少年の両親によれば、施設の職員が同日午後5時半頃、少年の祖母に電話をかけ、いつも生徒を送迎している車がその日は出ないことを伝えたという。
そこで耳が不自由な少年の母親、マリアーナさんが施設に出向いたところ、建物は既に閉鎖されており、家に戻っても少年は帰っていなかった。
そこで家族から通報を受けた同警備隊員が施設に駆けつけ、壁を飛び越えて中に入ったところ、決められた時間に薬も服用できず、錯乱状態にあった少年を発見した。
少年の祖母アパレシーダさんによれば、施設に夜間の守衛はおらず、人の出入りの管理がなされていないという。市福祉局は調査委員会を設置して事態究明をはかると発表しており、家族は責任者を訴える考えだ。
また、家族によれば施設に空きが出るのを4年待ち、その日の3日前から通い始めたばかりだったが、もう通わせないと話している。