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メンサロン=最高裁がルーラの説否定=金銭の授受は議会対策=現時点で22人が有罪に=PT関係者の審議始まる

ニッケイ新聞 2012年10月3日付け

 【既報関連】最高裁が1日、メンサロン事件で動いた金は第1次ルーラ政権での議会対策に使われたとして、同事件告発者のロベルト・ジェフェルソン元下議ら10人を収賄罪に定め、ルーラ前大統領らが主張した選挙の裏金との説を退けたと2日付伯字紙が報じた。

 1日で30回目となったメンサロン事件の審議では、収賄罪などに問われた元下議ら13人中12人が有罪となった。これにより、3日に始まる労働者党(PT)のジョゼ・ジルセウ元官房長官らの審議でも贈賄罪適用の可能性が高まった。
 メンサロン事件は告発された容疑毎に審議されており、1日に審議が終結した13人は、収賄罪と犯罪組織形成、資金洗浄罪に問われていた。
 この13人に関しては9月27日までに6人の判事が票を投じており、残る4人が票を投じた結果、ブラジル労働党(PTB)党首を9月30日に辞した元下議のジェフェルソン、同党元下議のロメウ・ケイロス、同党元幹部のエメルソン・パウミエリ、進歩党(PP)下議のペドロ・ヘンリー、旧自由党(PL)(現共和党、PR)元下議のカルロス・ロドリゲスの5被告が収賄と資金洗浄で有罪となった。
 また、収賄と犯罪組織形成、資金洗浄で有罪となったのはPP元下議のペドロ・コレア、同元顧問のジョアン・クラウジオ・ジェヌ、PL元会計のジャシント・ラマス、PR下議のヴァウデマール・コスタ・ネットの4被告。犯罪組織形成と資金洗浄で有罪となったのはボヌス・バンヴァル社経営者のエニバウド・クアドラド被告。協同経営者のブレノ・フィッシュバーグ被告も犯罪組織形成で有罪となった。
 なお、民主運動党(PMDB)元下議のジョゼ・ボルバ被告の場合、収賄罪は確定したが、資金洗浄については5対5で、今後の審議に持ち越された。
 1日までの審議の焦点はメンサロン事件の金は政府案審議などの議会運営を円滑にするための票の取りまとめ用とする検察側の主張を認めるか否かで、10人の判事中、ジョアキン・バルボーザ、ルイス・フックス、ジウマル・メンデス、マルコ・アウレリオ、セウソ・デ・メロ、アイレス・ブリットの6人がこの主張を認めた。
 選挙の裏金としたのはリカルド・レワンドウスキ判事1人で、ローザ・ウェーベル、カルメン・ルシア、ジアス・トフォリの3氏は態度表明を避けているが、1日までの審議で現・元下議10人が収賄罪などに定められた事で、贈賄や犯罪組織形成に問われているジョゼ・ジルセウ被告やPT元党首のジョゼ・ジェノイノ被告らの立場はより厳しくなった。
 メンサロン事件では既に22人が有罪となっており、史上最大の汚職事件の裁判は3日からが山場。ミナス州検察局にはフェルナンド・ピメンテル商工開発相らに流れた同事件絡みの金の動き追求の許可も出ている。