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人手不足の解消はいつ?=技術系より文化系学生増加
ニッケイ新聞 2012年10月3日付け
2000年と10年の国勢調査によると、自然科学系や技術系の人材が不足しているのに、大卒者は文化系の方が増えていると9月30日付エスタード紙が報じた。
技術や知識を持つ熟練労働者の不足が叫ばれて久しいが、大卒者の数で見た需要と供給のバランスが崩れている事の影響は給与にも表れ、経営、通信やジャーナリズム、マーケティングと出版の各分野で働く人の給与は、10年間で17・8%、14・1%、7・4%減少したという。
10年の初任給ランキングの上位は、医学部卒が6952レ、兵学校卒が6359レ、工学部が4855レ、歯学部が4854レと技術系が独占。これらの数字は、10年の大学卒業者1万600人(18〜60歳)と、00年卒の人のデータを比べたものだ。
サンパウロ総合大学などによる調査は、人手不足がいわれながら、高卒者の平均給与が1378レから1317レ、大卒者の平均給与も4317レから4060レに減ったという統計に驚いた事から始まったという。
工学部卒業生は10年間で14万6700人増えたのみで大卒者に占める比率は2・76%から1・45%に縮小。この間の求人数は20・6%増で需要と供給のアンバランスは明白だという。