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全国市長選=サンパウロ市は大混戦の様相へ=上位4人の差が一気に縮小=リオはパエス氏再選濃厚=クリチーバでは逆転劇も

ニッケイ新聞 2012年10月4日付け

 世論調査統計機関(Ibope)による全国市長選のアンケート結果が発表され、サンパウロ市では1位のセウソ・ルッソマノ候補(ブラジル共和党・PRB)が支持率を7%ポイント下げた一方、3位に後退していたジョゼ・セーラ候補(民主社会党・PSDB)が盛り返して2位に再浮上。フェルナンド・ハダジ候補(労働者党・PT)やガブリエル・シャリッタ候補(民主運動党・PMDB)を含めた混戦となりつつある。3日付伯字紙が報じている。

 9月29日〜10月1日に行われたアンケートで、ルッソマノ氏は支持率を7%ポイント下げ27%となった。一方、9月22〜24日の調査で支持率3位だったセーラ氏は2%ポイント上げ、19%で2位に浮上。前回と同じ18%だったハダジ候補を抜いた。
 4位のシャリッタ候補の支持率も3%ポイント上昇して10%となっており、サンパウロ市市長選は17%ポイントの中に4候補がひしめく混戦の様相を呈してきた。
 ルッソマノ氏が支持率を落とした背景には、他の候補が本来の票田での票を取り戻し始めたことがある。サンパウロ市の地区別支持率を見ると、サンパウロ市中央と北部・南部・東部・西部の反PT(PSDB寄り)地盤でセーラ氏が、8%ポイントのリードを許していたルッソマノ氏に追いついた。また、極東部と極南部のPT地盤でルッソマノ氏が9%ポイント下げ、ハダジ氏が4%ポイント上げた。
 シャリッタ氏に関しては、カトリック教会が、ルッソマノ氏がウニベルサル教会を後ろ盾にしていると批判したことで、カトリックの票が同宗派との結びつきの強いシャリッタ氏に流れたとの分析がある。また、これまでセーラ氏やハダジ氏を標的としていた各候補の選挙CMが反ルッソマノ色を濃くしたのも理由として考えられる。それに対抗し、これまで温厚さを保ってきたルッソマノ氏のCMもハダジ氏を「嘘つき」と称するなど、感情的なものへシフトしはじめている。
 サンパウロ市以外の都市を見ると、リオでは、エドゥアルド・パエス現市長(PMDB)が、2位のマルセロ・フレイショ候補(PSOL・社会自由連合)に3倍近い差をつける57%を獲得。再選が確実視されている。
 ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテでは、現職で市政に対する支持率も高かったマルシオ・ラセルダ候補(ブラジル社会党・PSB)が2位のパトルス・アナニアス候補(PT)の急追を受け、支持率の差が9%ポイントに縮まった。パラナ州クリチーバでは、TV司会者ラチーニョの息子のラチーニョ・ジュニオール候補(社会キリスト党・PSC)が、9月中旬に一時逆転を許したルシアーノ・ドゥッシ候補(PSB)を抜き返して支持率35%で首位に踊り出た。
 26州都の市長選では、現在7州都の市長を抱えるPTが苦戦を強いられている。現在までの世論調査で優位を保っているのは2都市のみで、メンサロン事件の影響の大きさをうかがわせる。