ニッケイ新聞 2012年10月5日付け
10月7日に投票が行なわれる全国市長選挙を前に、各候補も追い込みに奔走しているが、ジウマ大統領やサンパウロ市市長選での支持率で現時点トップのセウソ・ルッソマノ候補(ブラジル共和党・PRB)の周辺も賑やかとなっている。4日付伯字紙が伝えている。
ジウマ大統領は3日、ミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテの市長選に立候補しているパトルス・アナニアス候補(労働者党・PT)の集会にかけつけた。その席でジウマ氏は、2014年の大統領戦の対抗馬と目されているアエシオ・ネーヴェス上院議員(前同州知事、民主社会党・PSDB)に対する痛烈な批判を行なった。
アエシオ氏は1日、現職のマルシオ・ラセルダ候補(ブラジル社会党・PSB)のキャンペーンでの支援演説の際、〃よそ者〃のジウマ氏が同州内の市長選に干渉していると批判した。
それに対しジウマ氏は「自分はここで生まれ、ここで大事なことを学んで育った。ここを出たのは軍政と戦ったからで、激しい迫害を受けて出て行かざるを得なかった。海岸に行くためではない」と自身の境遇を語ると同時に、リオに邸宅を持つアエシオ氏に対する揶揄を名前をふせながら展開した。これに対しアエシオ氏は、「ルーラ前大統領が(ジウマ氏を指し)『ガウッシャ(南大河州出身者)が国を率いている』と言っていたではないか」と反論した。
一方、ウニベルサル教会のエジル・マセド司教は自身のブログにフェルナンド・ハダジ候補(PT)を批判し、ルッソマノ候補を称える文書を載せた。ルッソマノ氏は同教会との深い関わりが噂されているが、同司教はルッソマノ氏への直接的な支援を否定しており、掲載文書は友人が書いたものと説明している。
ブログ掲載の文書には「ハダジに票を入れるべきでない五つの理由」と「ルッソマノに票を入れるべき五つの理由」が書かれている。前者には「メンサロン事件」「教育相時代のENEM(国家高等教育試験)で不備連発」「同性愛擁護者」などをあげ、「ルッソマノ氏が市長になるとバス代があがるなどの嘘で市民をだましている」と言及した。そして後者には「PRBが神のお導きに対し最も正しい生き方を実践している」ことをあげ、「信念に従おうとしていることで無残な攻撃を受けている」とのコメントを送っている。
なお、ダッタフォーリャの全国市長選の最新アンケート結果が3日に発表され、サンパウロ市ではルッソマノ氏の支持が25%まで落ち、3位のハダジ氏までの差が6%ポイントとなり、ベロ・オリゾンテでは、ラセルダ氏がアナニアス氏に11%ポイントの差をつけてリードしている。