ニッケイ新聞 2012年10月9日付け
ベネズエラで7日に行なわれた大統領選挙で、現職のウーゴ・チャベス大統領が対立候補のエンリケ・カプリレス・ラドンスキ氏を破って再選を果たした。8日付伯字紙が報じている。
同国大統領選で類を見ない80%以上という高い投票率は国民の関心の高さを伺わせるが、チャベス大統領は得票率54・42%で、1998年、2000年、2006年につぐ4度目の当選を果たした。今回の当選で同大統領の任期は2019年までとなる。
チャベス氏にとって、今回の選挙はこれまでの選挙戦で最も苦戦を強いられたものだった。「21世紀の社会主義路線」といわれる助成金支出や住宅建設などで低所得者層には強い支持を誇りながらも、治安の悪化やベネズエラ経済を支える原油価格の高騰、高いインフレ率、大統領在任期間長期化などで、不満の声も大きくなっていた。11年には癌も患い、健康面も不安視されていた。
野党側は連立してミランダ州前知事のカプリレス氏を対抗馬にたてて44・97%の票を獲得したが、チャベス氏に約10%ポイント及ばなかった。だが、チャベス氏の得票率も過去最低の数字に終わった。
開票率90%の時点で当選が決まったチャベス大統領は、23時30分頃、大統領官邸のバルコニーに登場し「ベネズエラに平和を築く過程での大事な一歩が記された」と宣言し、両手をあげて喜びを爆発させた。
一方、敗れたカプリレス氏はチャベス大統領の再選に祝福のコメントを送りながらも「国民の約半分は今の治世に満足していない」とし「敗れたのは私であって、私に投票してくれた600万人以上の人たちは敗者だと思わないでほしい。彼らは新たな道を切り開いたんだ」と語った。