ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

オーストラリア留学生死亡事件=スタンガンでなく圧迫死か=留学生はLSD摂取も

ニッケイ新聞 2012年10月10日付け

 今年3月に留学先のオーストラリアで死亡したロベルト・ラウディジオ・クルチさん(当時21歳)が、麻薬であるLSDを服用していたことや警察により窒息死の可能性があることなどがわかった。9日付伯字紙が報じている
 事件が起きたのは3月18日未明。シドニー市内のナイトクラブから上半身裸の状態で出たクルチさんが滞在先の姉宅に帰ろうとしていた際、警察から追われ、スタンガンを複数発浴び、ショック死したとされていた。
 検死官が変死体の死因を特定し、他殺か事故死かを判定する検死法廷は8日からはじまり、その証言の中で新たな事実が明らかとなった。ひとつはクルチさんが事件の際に幻覚剤の一種のLSDを服用していたことだ。クルチさんはこの日、所有していたLSDの3分の1を摂取していたが、その量では14発中5発が当ったというスタンガンの電気ショックで死に至ることはないという。
 クルチさんがナイトクラブを出てから死亡するまでの姿は50台以上の防犯カメラに映像に収められており、親族は、クルチさんが倒れた後も警官がのしかかるなどした結果起きた圧迫死との推測を強めている。クルチさんは当時、11人の警官に追われていた。叔父のエドゥアルドさんは「警察による暴力は思った以上にひどいものだった」と語っている。
 また、クルチさんが警官に追われる原因になったとされるコンビニエンスストアでのビスケット2箱の万引き疑惑についても、上半身裸で入店したクルチさんに、レジにいた男性が出て行くよう命じている様子が映し出されているビデオが公開された。現場にいた従業員は警察に「クルチさんがビスケットを欲しがったから店員があげたのであって盗んではいない」と語っている。地元の新聞によると、警察に通報したのは店員ではなく、強盗だと勘違いした路上清掃係だったという。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button