連邦大学生にビザ下りず=スト補講で米国行き逃す
ニッケイ新聞 2012年10月11日付け
連邦大学のストが長引いたあおりを受け、全国で300人ほどの連邦大学学生に学生ビザが下りず、夏期休暇中の米国での就労体験が出来なくなった。10日付エスタード紙が報じている。
今回ビザが下りなかったのは、米国の企業が募集した研修制度の応募者で、ディズニーのような大手の名前もあった。
研修生として参加が決まっていた学生たちへのビザが発行されない理由は、連邦大学のストが4カ月に及び、休講となった授業の補講を今年の12月から13年2月まで行なうからだ。
この決定に、学生たちからは不満の声が漏れている。ディズニーでの研修生選抜試験を受けるため、5千レアルを投じてリオからミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテまで行ったフルミネンセ連邦大学のラファエラ・ブリットさんは「ビザが出ないと知ったときには大泣きしたわ」と語り、フェイスブックで抗議の署名活動を行っている。また、同大学のミリアネ・リマさんは「ストをやったのは学生じゃなく先生なのに。1年かけて準備してきた唯一のチャンスを逃してしまった」と、泣く泣くハワイ行きをあきらめた。
米国大使館によると、「研修制度を利用する学生はその年度を終了させなければならない」という規定があり、「交換留学が本来の学業を損なわせてはならない」とした上で、「こういうことになって我々も残念だが、次の年の参加への意欲を失わないで欲しい」とエールを送っている。
仲介業者の一つは、次の年でも良いという学生には150ドル払えばすべての条件を留保できるようにし、交換留学を諦める人にはチケットと医療保険の料金を払い戻すと約束している。
教育省は、今回の問題について、対象となる学生の対処は各大学の判断にまかせるとしている。