ニッケイ新聞 2012年10月12日付け
ダッタフォーリャがサンパウロ市市長選の決戦投票にむけて行なった最初の世論調査によると、フェルナンド・ハダジ候補(労働者党・PT)がジョゼ・セーラ候補(民主社会党・PSDB)に10%ポイントの差をつけてリードしている。11日付伯字紙が報じている。
1次投票での支持率はセーラ氏が30・75%で28・08%のハダジ氏をわずかにリードしていたが、1次投票後初のダッタフォーリャ調査では、セーラ氏が37%の支持率だったのに対しハダジ氏は47%を獲得。無記名・無効の8%を除くと、ハダジ氏が56%対44%で勝っていることとなる。
ただ、ハダジ氏とセーラ氏の直接対決に関しては、1次投票前からハダジ氏に分があった。ダッタフォーリャでは9月初旬から決戦投票のシミュレーションを行い、「ハダジ対セーラだったら」との質問も随時行なっており、選挙直前の今月6日まで行われた調査でハダジ氏は6連勝。6日の時点でも45%対39%でリードしていた。
調査では、1次投票で3位だったセウソ・ルッソマノ候補(ブラジル共和党・PRB)に投票した人は56%がハダジ氏、25%がセーラ氏、4位だったガブリエル・シャリッタ候補(民主運動党・PMDB)に投票した人は43%がハダジ氏、34%がセーラ氏に投票する意向であることもわかった。
現在、ハダジ、セーラ両陣営は1次投票で敗れた候補の支持取り付けに奔走しているが、ルッソマノ候補が所属するPRBは10日に中立を宣言した。サンパウロ州でのPRBは州議員2人がPSDBのアウキミンサンパウロ州知事が率いる州政府側についているが、国政レベルではPTと連立関係にあり、マルセロ・クリヴェラ氏が水産相を務めている。ジウマ大統領はハダジ支持を求めていたが、PRBが中立を宣言したことで、PSDBは安堵の息をついた。
ルッソマノ氏自身は、ハダジ、セーラ両陣営が選挙戦終盤で行った同氏への攻撃は「倫理に欠けた」と憤りを示し、「どちらの党にも自分の名前や顔写真を使われたくない」と発言。「自分を支持してくれた約130万の有権者には抗議の白票を求めたい」と訴えた。ハダジ氏はルッソマノ氏が提唱したバス料金の走行距離比例制を批判、セーラ氏は任期中の汚職で騒がれたセウソ・ピッタ元サンパウロ市市長や弾劾を受けたフェルナンド・コーロル元大統領とルッソマノ氏を比較するチラシを配ったりしていた。
他方、シャリッタ候補のPMDBはハダジ候補を推すことを11日に正式に発表。シャリッタ氏は選挙終了後に連邦政府の大臣職を与えられると目されている。
また、セーラ候補は5位に終わったソニーニャ候補(社会大衆党・PPS)、7位だったパウリーニョ候補(民主労働党・PDT)、ルッソマノ氏の副市長候補だったルイス・フラーヴィオ・ドゥルソ氏(ブラジル労働党・PTB)の支持を取り付けている。