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リオの〃ガザ地区〃を平定=銃声なく警官占拠=UPPの設置待たれる=クラック常習者の救済は

ニッケイ新聞 2012年10月17日付け

 2014年のサッカーW杯や16年の五輪開催前の治安確保を目指すリオ市で14日、市北部にあるファヴェーラの占拠作戦が行われ、同市最大のクラコランジアを有する地域が、銃声を聞く事もなく明け渡されたと15日付伯字紙が報じた。

 占拠作戦の対象は、29番目の平和維持警察隊(UPP)設置予定地のマンギーニョスやジャカレジーニョ、マンデラ、ヴァルジーニャの4地区。作戦に要した時間はわずか20分で、銃声一つ聞かずに占拠という異例の展開となった。
 これらのファヴェーラには約7万人が住んでおり、同市最大のクラコランジア(麻薬の1種であるクラック常用者が集中している場所)もある。12日付フォーリャ紙がUPP未設置地区で犯罪が増加中と指摘した場所の一つで、リオ保安局のジョゼ・マリアノ・ベルトラメ長官の「これでまた一つ〃ガザ地区〃が減った」という言葉も、同地区で紛争が繰り返し起きていた事を裏付ける。
 占拠作戦の開始は14日午前4時45分。海軍の射撃兵らを乗せた装甲車が、密売者が設けたコンクリートのバリケードなどを破壊しながらファヴェーラに向かい、警官がその後を追うという形で進められた。
 作戦には海軍と軍警、市警、連警計2千人が参加。特殊部隊の射撃手が乗るヘリコプター3機が低空飛行する中、軍警と特殊部隊(Bope)がマンギーニョスとマンデラ1、2、ヴェルジーニャ、市警がジャカレジーニョを占拠した。
 15日付エスタード紙によると、ジャカレジーニョではソファーや材木に火をつけたりゴミを撒いたりといった抵抗があり、マンギーニョスでもコンクリートブロックが置かれていたというが、銃声一つ聞かぬ無血占拠は始めてだ。
 各地区を占拠した警官は当日、密売者らの医療施設を破壊。密売者2人を含む104人の身柄を拘束したが、大半は麻薬常習者で逮捕者は0だった。15日の一斉捜査では、銃器4丁と手榴弾2個、大麻700包、精製コカイン4キロ、未精製のコカイン10キロを押収。プール付のレジャー施設や密売者がライバル組織のメンバーなどを裁く裁判所も発見した。
 ジャカレジーニョには16日にBOPEが派遣され、高台のアズルと呼ばれる場所を基地に、UPP設置までの治安確保に当たる。UPP設置はマンギーニョスが12月、ジャカレジーニョが来年1月の予定だ。
 地区内のクラコランジア一掃作戦では14日以降約200人が補導されたが、大半は施設入りを拒否して路上に戻った。クラック常習者がガレオン空港に近い大通りの空き地に集まってクラックを使う様子は16日朝のTVニュースでも報じられたが、同市最大のクラコランジア解体後の麻薬常習者救済は、国や保健局とも連携して行うべき急務の一つだ。市役所は15日までに瓦礫など220トンを撤去した。

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