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「イランとの関係見直しを」=ロムニー候補がブラジルを語る

ニッケイ新聞 2012年10月20日付け

 米国の大統領選挙に出馬中のミット・ロムニー候補(共和党)が、もし大統領に当選したら、ブラジルにはイランとの関係を改めるよう求める意向であることが明らかとなった。19日付フォーリャ紙が報じている。
 現在、バラク・オバマ大統領(民主党)と次期大統領の座をかけて争っているロムニー氏の側近が、フォーリャ紙記者に、同氏の目から見たブラジル像を語っている。
 同側近によると、ロムニー氏はオバマ政権がラ米対策を十分に行なっていなかったとした上で、南米とより深い関係を築き上げたいとしている。同氏はブラジルをメキシコやコロンビアと並ぶ対ラ米外交の重要国と位置付けており、大統領に当選したら、国連安全保障理事会を再編してブラジルを常任理事国として推薦することもありえると話しているという。
 だが、そのためには、米国がブラジルに抱いている外交上の懸念を払拭する必要がある。特に、2010年にトルコを交えてイランと交わした三国核協定を問題視しているという。米国政府はイランの核開発に対し、問題提起を続けている立場だからだ。加えて、米国と険悪な関係にあるベネズエラとブラジルが友好関係を結んでいることも良しとしていないようだ。
 またロムニー氏は、米国の企業家たちにとってブラジルは大きな魅力としており、両国間の障壁を減らし、より自由な貿易を求めていくという。特に米軍が、エンブラエルの「スーペル・トゥッカーノ」の購買契約をキャンセルしたようなことはないよう望んでいる。
 ロムニー氏の側近はさらに、世界的に増大している国際組織による麻薬取引の問題解決に、ブラジルが積極的に協力することも望んでいるという。
 この他には、ブラジル政府が2011年に唱えた政策「国境なき科学」により、ブラジル大学生の国外留学が進んでいることを評価した。だが、ブラジル人の米国渡航の際のビザの撤廃については余り積極的ではないようだ。