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筑波大の砂川教授来伯=日語教育の講演27日に

ニッケイ新聞 2012年10月20日付け

 国際交流基金が派遣する今年度のサンパウロ総合大学(USP)の客員教授として今月5日から、筑波大学日本語・日本文化学類の砂川有里子学類長(63、東京)が来伯している。USP日本文化研究所の森幸一所長と17日に本紙を訪れた。
 研究分野は日本語学、言語学で、大阪外国語大学で文学修士号、筑波大学で言語学博士号を取得。USPでは10回の短期集中で、言語学の授業を日本語で行なっている。
 授業には聴講生を含め約20人が出席しており、「近年にない盛況」(森所長)。砂川さんも「大学院で教えているのと同じレベルの授業をしているが、忍耐強く熱心。コメントも真面目に書いてくれる」と話し、生徒の反応に驚いているという。
 これまでニュージーランド、中国、欧州各国などで教鞭をとっているが、中南米への訪問は初めて。来る前は治安の悪さに不安を感じたものの、「サンパウロは、外国人が多いせいか違和感なく歩ける」とのこと。
 砂川さんによれば、以前は日本の文学や伝統文化にあこがれて日本語を学ぶ人が多かったという。しかし、「日本のサブカルチャー(アニメ、漫画などの娯楽・趣味文化)をきっかけに日本語に興味を持つケースが、どこの国でもみられる。ブラジルも例外ではない」との印象を語った。
 砂川さんは27日午後2時から、サンパウロ市の国際交流基金サンパウロ文化センター(Av. Paulista 37, 2°andar – Paraiso)で日本語学習者、教師向けの講演を行う。テーマは「日本語の学習と教育に役立つインターネット情報」。有用な情報を入手できる国立国語研究所のウェブサイトをはじめ、インターネット活用法を紹介する。
 31日はリオ連邦大学でも講演を行った後、11月4日に帰国する。