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大耳小耳

ニッケイ新聞 2012年10月20日付け

 岐阜県人会便り10月号で、語学研修生として来伯したばかりの警察官が日伯のホームレス事情を「警察的な目」で比較している。当地のホームレスはよく物乞いをするが、日本ではまずないという。実は、日本では物乞いが軽犯罪法で禁止されているとか。教会や広場で物乞いする姿は一種の〃風物詩〃でもあり、それを法律で禁じるのは当地ではありえなさそう。日本の路上生活者は60歳以上が大半だが、ブラジルは若いことにも同警官は驚いている。これは当地の平均年齢が若いからか、それともあの過酷な環境では若くないと生き残れないから?!
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 特集にあるように今年50周年を迎えたブラジルいけ花協会。設立後間もない70年代、地方講習会で苦労したのは道具の調達とか。40周年誌には「空き缶や空き瓶で花を活けたことも度々でした。立派な道具を揃えるよりもこうしたところに、何か新鮮味のある花の活け方もあるのでは」とある。限られた環境の中でいけ花を愛し、その真髄に触れようとした移民女性。逆境を糧にしてきた力強いその精神は、末永く会員に継承されるに違いない。