15歳韓国系少女を射殺=10代の3人組強盗逮捕=罪悪感なき無軌道犯罪増加
ニッケイ新聞 2012年10月23日付け
21日未明、サンパウロ市南部イジエノポリスで15歳の少女が10代の少年3人組に襲われて射殺される事件が起きた。サンパウロ市やサンパウロ州での強盗殺人は今年に入って増えており、10代による犯罪が深刻化している。22日付伯字紙が報じている。
事件は21日午前2時頃、イジエノポリス大通りとの交差点に近いサバラー通りで起きた。カロリーネ・シウヴァ・リーさんは、24歳の恋人と共に友人の誕生パーティから出て、サンタセシリアの恋人宅へ向かう途中、強盗3人が乗る車につけられた。
そのうちの2人が降車し、カロリーネさんの持っていたカバンをよこせと要求した。カロリーネさんが拒むと、強盗の1人、マルコス・ヴィニシウス・コレア・ゴメス容疑者(19)がカロリーネさんに向かって銃を2発撃ち、カロリーネさんのカバンとカロリーネさんと恋人の携帯電話を奪って逃走した。
その約10分後、恋人の通報を受けた警察が、強盗を乗せた車を追跡。強盗は5月23日大通りで車をぶつけ、警察と銃撃戦も行なったが、3人とも逮捕された。カロリーネさんは病院に運ばれたが、助からなかった。
ゴメス容疑者と共に降車してカロリーネさんたちを襲ったのはアレックス・ロドリゲス・ヴェナンシオ容疑者、車で待機していたのはクラウジネイ・アヴェリーノ・モデスト容疑者(共に18)で、3人は取り調べ中もふざけた態度を取り、薄笑いさえ浮かべていたという。3人は麻薬売買や窃盗で少年院に入ったことがあり、週末には強盗を繰り返していた。犯行に使った車も14日朝、サンパウロ市カンポ・ベロのヴィスコンデ・デ・アギアル・トレド通りで子供2人を連れた家族を襲って盗んだものだった。
カロリーネさんはサンパウロ市中央のパウリスタ地区にあるサンルイス高校2年生だった。ギターと空手を習う活発な少女で、成績が優秀なため奨学生にも選ばれた。サンパウロ州立技術大学(FATEC)への進学が夢で、英語や鍼灸術も習っていたという。韓国人で鍼灸師の父親を2005年に癌で亡くしており、現在は母親のマリアさん(40)と17歳の兄と3人で暮らしていた。
サンパウロ市やサンパウロ州では今年に入って強盗殺人が増加傾向にあり、サンパウロ州では12年1〜8月に昨年同期より19件多い229件、サンパウロ市では4件増の71件(10月21日まででは89件)となっている。
また、10代による犯罪が急増傾向にある。今年1〜7月にサンパウロ市の高級住宅街でレストラン荒らしや電撃誘拐などを繰り返していた集団も10代や大学生のグループで、大人の犯罪に比べ罪の意識の低さと自制心のなさが目立っている。