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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年10月23日付け

 参議院の党別議席数を見ると、民主党が107でトップになるが、自民、公明などの野党の方が多く、所謂—「ねじれ現象」になり、野田政権の運営は難しい局面が多い。首相や閣僚も問責決議を受け辞任に追いやられた政治家もいる。これは衆議院の不信任案と同じようなものだが、法的な強制力はないけれども、政治的な意味は大きい。あの自民党政権も、この「ねしれ」に振り回され大いに話題を振り撒いたものである▼と、「良識の府」とされる参議院にも、いろいろと難しい問題を抱えているが、先の最高裁の判決では「10年選挙は『違憲状態』」という爆弾のような言い渡しがあった。最高裁15判事のうち12人の意見であり、残る3判事は、より厳しい「違憲」と断じたのだから—この判決は重い。しかも、「抜本的な改正を」と迫っており、参議院も「違憲状態」からの脱却へと全力を尽くすのが筋というもである▼かなり前から指摘されているのだが、あの「1票の格差」が、10年の参院選挙では最大で5になっており、これを重く見た最高裁は、このような現況は著しく不平等であるとし「違憲状態」としたのであり、この判決には国民の多数も間違いなく支持する。最高裁は「都市部への人口集中が顕著な中で現行の都府県を単位とする選挙区制度では、投票価値の平等に応えるのは難しい」と指摘している▼故・西岡武夫参院議長は、こうした現状の改革に取り組み、県単位からブロック制に改革する計画に取り組んだのだが、今、この議論はうやむやになっているのは何とも残念ながら、もう—参議院も拱手傍観は許されない。(遯)