米国のビザ発行で中国抜く=渡米ビザ不要化へ後押しか
ニッケイ新聞 2012年10月24日付け
米国がブラジル人に発行する観光ビザ(査証)の件数が11年に中国人向けを上回り、12年は100万件発行に迫る勢いだと、19、23日付伯字紙が報じている。
11年のブラジル人に対する観光ビザ発行数は74万6300件で、中国人への70万1700件を上回った。これは中国の人口と経済成長がそれぞれブラジルの5倍、4倍であることを考えるといかに多いかわかる。同年の米国へのブラジル人旅行者も150万人に達し、英国、日本、ドイツに続いた。
1〜9月の時点の移住ビザ以外のビザ発行数は昨年同期の16%増で、ビザ申請数の急増に対応するため、米国は4月30日以降の再渡米者へのビザ発行時の面接を不要とし、5月にはサンパウロ市やミナス州ベロ・オリゾンテなど5カ所に専用ポスト開設などビザ発行簡便化を推進。2月にはベロ・オリゾンテと南大河州ポルト・アレグレに新領事館を開設する意向も発表された。
在聖米国領事館のキャサリン・カロさんはブラジルから米国への旅行者増加の理由に「Cクラスの増加」「レアル高」「買い物旅行の増大」の三つをあげた。ブラジルの電化製品の価格は米国の数倍で、マイアミなどで買う方が飛行機代を含めても安上がりになるという。
こうした事情を受け、米国の旅行業者協会は上院に、ブラジルをビザ発行の必要のある国から外すよう要請している。現在の米国の基準ではビザ不要となるにはビザ発行無効率を3%まで落とすことが前提だが、06年は13%だったブラジルのビザ発行無効率は現在3・8%まで落ちてきている。
米国国土安全保障省は22日の会議で、ブラジル人へのビザ発行の簡易化について検討。24日はアントニオ・パトリオッタ外相がワシントンでヒラリー・クリントン米国務長官と会談を行なう。
ビザ撤廃となった場合、米国は1年につき2億米ドルを失うことになるが、1人あたり5千ドルを米国で使うというブラジル旅行者は31万6千人増えると見られている。