ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | サンパウロ市市長選=ハダジ有利のまま決戦投票=若干の差は縮まるも=メンサロン裁判は響かず=24日は共に大舌戦展開

サンパウロ市市長選=ハダジ有利のまま決戦投票=若干の差は縮まるも=メンサロン裁判は響かず=24日は共に大舌戦展開

ニッケイ新聞 2012年10月26日付け

 28日の決戦投票を前にダッタフォーリャとIBOPEが24日に発表したサンパウロ市市長選の世論調査の結果によると、共にフェルナンド・ハダジ候補(労働者党・PT)がジョゼ・セーラ候補(民主社会党・PSDB)をリードしている。同日夜は両氏によるテレビ討論会も行なわれ、激論が交された。25日付伯字紙が報じている。

 ダッタフォーリャとIBOPEの調査は22〜24日に行なわれ、前者は49%対34%、後者は49%対36%で、共にハダジ氏がセーラ氏をリードしている。白票と無効票を除くと前者が60%対40%、後者が57%対43%となる。
 セーラ氏は前回よりダッタフォーリャで2%ポイント、IBOPEで3%ポイント支持率を上げた。これはセーラ氏がキャンペーンで、ハダジ氏が市長に当選すれば、サンパウロ市の公立病院を運営している社会機構(OS)という団体を運営から撤退させると批判したことによるとフォーリャ紙もエスタード紙も分析している。IBOPEの調査では、この批判展開で、反PT地区(東部・西部・北部・南部)でのハダジ氏の支持率は43%から38%に落ちた。
 だが、それもハダジ氏の支持率を凋落させるには至らなかった。PT支持地区(北西部・極東部・極南部)でのハダジ氏の支持は依然60%あり、PT支持地区と反PT地区の間にある浮動票地区では逆に、ハダジ氏への支持が44%から54%に上昇した。
 エスタード紙は今回の調査結果から、23日のメンサロン事件公判でのジョゼ・ジルセウ被告をはじめとしたPT党員への有罪判決はサンパウロ市有権者には影響しなかったとの見解を表明した。ダッタフォーリャによると、今回アンケートに答えた人の92%が既に28日に投票する人を確定しており、セーラ氏の逆転はかなり難しそうだ。
 また、24日夜のSBT局のテレビ討論会でのハダジ氏とセーラ氏は、これまで以上に熱い議論と攻撃を交した。
 セーラ氏がハダジ氏は「サンパウロ市にもメンサロンを持ち込もうとしている」と攻撃したのに対し、ハダジ氏は「あなたは対立候補に敬意の念を持てないのですか。あなたの無礼さは狂気の域に達しています」と反撃。「私はサンパウロ市の予算の2倍ある教育省をきれいなイメージで治めて来ました」とアピールした。「君はサンパウロ市のことをよく知らない。イタイン・ビビとイタイン・パウリスタを間違えるなんて」とのセーラ氏の揶揄に、ハダジ氏も「あなたはブラジルの正式名をブラジル合衆国と言いましたよ」と返した。
 市政に関しては、ハダジ氏がサンパウロ市の暴力犯罪が15%増えたことやアウキミンサンパウロ州知事(PSDB)の走行距離毎の自動車課金を求める提案を攻撃。セーラ氏はマルタ元市長の新税導入にハダジ氏も関係したことやOS撤廃について攻撃した。ハダジ氏は以前OS撤廃を否定したが、この討論会では否定しなかった。