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車への減税を再延長=モーターショーで電撃発表=気になる13カ月給の行方

ニッケイ新聞 2012年10月26日付け

 ジウマ大統領が24日にサンパウロ市での国際モーターショー会場を訪れ、車への工業製品税(IPI)減税の年末までの延長を発表したと25日付伯字紙が報じた。
 5月に発表された車への減税処置は8月末に1度延長され、10月末日で終わるはずだった。このため市場では、減税再延長を求める動きと共に、月末までの減税を利用して新車を購入するよう呼びかける宣伝が続いていた矢先の発表だ。
 国際モーターショーは24日から一般公開が始まっており、開幕初日の表敬訪問だけと思われていたジウマ大統領が約17分の挨拶の中で明らかにした減税再延長は、全国自動車工業会(Anfavea)にとっても嬉しい誤算だ。29日にギド・マンテガ財相と会う約束になっており、減税延長の話はその時にしか出ないと思っていたクレドルヴィノ・ベリニ会長は、〃サッカーの王〃ペレがゴールを決めた時のように、両手を高々と上げて喜びを表した。
 国産の乗用車のIPIは、1千cc以下で7%から0%、2千CC以下のフレックス車は11%から5・5%、2千CC以下のガソリン車は13%が6・5%、軽量商用車は4%が1%に減税され、消費者価格も5〜10%下がっていた。他方、輸入車のIPI引き下げは、乗用車5・5〜7%、軽量商用車3%となっている。
 減税効果が最も顕著に現れたのは8月で、過去最高の月間42万台を販売した。9月の販売は30%減、10月前半は昨年同月比で10%減とされ、消費者が購入を前倒しした影響が出ているものの、ベリニ会長は、2012年の販売数は2011年より5%増の380万台に達すると見込んでいる。
 ジウマ大統領は、自動車産業がもっと生産に力をいれ、輸入への依存度を下げるよう求めると共に、投資を推奨。1月からは、市場調査や燃費の良い車の開発などを進める〃Inovar—Auto〃と呼ばれるプログラムも導入される。
 大統領の訪問は30分の予定だったが、展示車についての質問などで、1時間延長された。
 減税処置の継続は年末商戦の時期に車が値上がりするのを避け、インフレ抑制効果もあるが、気がかりなのは13カ月給の行方だ。サンパウロ市で行なった調査によると、ボーナスは負債の返済優先が61%で、消費優先は16%。ナタール(クリスマス)のプレゼント購入費も500レアルまでが76%というから、年末までの減税延長で乗用車の販売が期待にそうほど伸びるか否かは予想がつかない状態だ。