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■ひとマチ点描■「えっ、すごく甘い!」

ニッケイ新聞 2012年10月27日付け

 「どうしてブラジルのイチゴは甘くないの」との不満を方々の知人ぶつけていたところ、「コチア青年が作った新種だよ」と柔らかくて大粒苺をもらった。「どうせ・・・」と思って口に入れると「甘い!」とビックリ。
 オッソ・グランデという種で、普通の苺2粒分ぐらいの大きさだ。その種の開発者と教えられたミナス州カンブイ市在住、農機具社「アグロマキナス・ミナスジェライス」の社長の白浜清俊さん(74、熊本)に連絡を取ったところ、「新種開発なんてしてないよ。輸入した苗で作ったもの」とあっさり。
 「アチバイアなどから専門家を呼んで講習会をさせて、苺の作り方を指導しただけ」と言う。60年にコチア青年として(2次6回)渡伯し、「農業と言えば焼畑程度だった」同地でジャガイモ、マンジョッカなど野菜栽培の足がかりを作ってきた指導者的存在だ。
 20〜30種の苺が栽培され、約600家族が栽培に携わる一大生産地で、ちゃんとサンパウロ市セアザに出荷されているとか。よ〜く探せば、サンパウロ市でも甘くて大粒のイチゴが手に入るようだ。(阿)

写真=カンブイ市で作られた苺/白浜さん