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外に出れず米国に行けず=ブラジル人もハリケーンSの被害に

ニッケイ新聞 2012年10月31日付け

 29日に米国東海岸を襲ったハリケーン・サンディは、米国で大きな被害を巻き起こすだけでなく、ブラジルや米国のブラジル人居住者にも影響を及ぼしている。30日付伯字紙サイトが報じている。
 先週はカリブ諸国で67人の死者を出したサンディは、29日に熱帯低気圧に変わった後、米国東海岸に上陸。ブラジリア時間30日午前11時までの死者は25人で、東海岸18州では800万世帯が停電となった。被害はニューヨークにも及び、米国の経済活動の中心地マンハッタン島では50万人が停電被害にあっているほか、地下鉄が冠水。最大の行政区クイーンズ区では火災が起き、80軒が焼けた。
 米国に居住もしくは訪米中のブラジル人にも被害が及んでいる。11月20日までニューヨークでオーディオ技術の特別講義を受けていたアマゾナス州のイアン・フォンセッカさん(23)は「マンハッタンじゃ雲が濃くて建物さえ見えやしない」と語っている。
 上陸地点のペンシルヴァニア州ニュージャージー在住の企業役員パウロ・クルーベルさんは、家族の安全のため非常食と水を買い込み、停電に備え冷蔵庫に大量の氷を詰め込んだ。マイケル・ブルームバーグ市長が出した自宅からの避難命令対象地域に住んでいた弁護士のテレーザ・レゼンデさんは、ホテル住いを余儀なくされている。
 北米を公演旅行中で現在カナダに滞在中のミナス・ジェライス州ベロ・オリゾンテの舞踊団「グルッポ・コルポ」は、11月1日にニューヨークのブルックリンで公演予定だが、現地入りが危ぶまれている。
 また、ブラジルと米国東海岸の空港との間の航空便も、29日に12便、30日もブラジリア時間午前11時までに10便が欠航。復旧のメドは立っておらず、各航空会社は同航路の利用予定者に便変更を呼びかけている。

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