ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

深刻な北東伯の干ばつ=過去83年間で最悪=2年間雨が降らない町?=自殺や予定外の出稼ぎも

ニッケイ新聞 2012年11月1日付け

 北東伯は例年以上に厳しい干ばつが続き、季節外れの家畜や人の移動が起きていると10月30日付フォーリャ紙や同31日付エスタード紙が報じた。TVニュースによれば、今年の干ばつは過去83年で最悪で、ダムの水位も境界線を割る寸前のようだ。

 北東伯の干ばつは昨年もひどかったが、今年の干ばつはさらに深刻で、バイーア州では2年間降雨がない町もある。
 2年間降雨がないのはバイーア州イチュで、雨の季節は11月始めからとの予報を信じ、牛を移動させずにいるレオナルド・オリヴェイラさんが住むカエンでも1年半降雨ゼロ。同州中部から北部の農家は、少しでも水のある南部に土地を借りて家畜を移動させているが、敷地内に給水用の池を作ったオリヴェイラさんは、家畜を移動させなかった少数派の農夫だ。カエンでは7月に川が、9月には貯水池の水も干上がってしまった。
 セアラ州都のテレジーナから605キロのカラコルでは干ばつ被害を苦にして自殺した農夫もおり、農業生産者の支援担当のジョネシウド・ダ・シウヴァ・クルス修道士が「同地域では過去50年で最悪の干ばつ」と発言したが、10月31日朝のTVニュースは過去83年で最悪と報じており、事態はなお深刻だ。
 セアラ州やピアウイ州では、家畜の死やトウモロコシやフェイジョン、米が収穫出来ないなどの被害が続き、両州の農産物は90%減産。ペルナンブコ州も干ばつ地域が80%に及んでいる。
 ピアウイでは224市中184市が非常事態宣言中で、農業生産者の多くは、干ばつ扶助(ボウサ・エスチアージェン)や生活扶助(ボウサ・ファミリア)、収穫保険(セグーロ・サフラ)で生活している状態だ。
 ペルナンブコ州では115市が非常事態宣言を出しており、この時期の平均水位を割り込んだ水力発電用のダムは80カ所。乾燥地帯のセルトンでは、貯水池の80%が干上がっており、事態はさらに深刻だ。
 ペ州農村部のカルピーナでは豆やピーマン、カボチャの一種のジェリムン、玉ねぎ、トマトの75%がだめになり、セルトンでは牧草も生えず、土地がひび割れ、植物も完全に干からびた。20万世帯を潤し、セルトンで唯一水が残っていた貯水池も泥が見えるだけになっているという。
 ペ州アルコ・ヴェルデのペドロ・デ・アシス・ベゼラさんは70頭いた牛の大半を飢えと乾きで失い、牧場内には白骨が散乱。町で売るはずの鶏卵を少しでもと牛の口に押し込む姿が悲しい。
 干ばつで作物も取れない地域の人は、サンパウロ州内陸部のサトウキビ畑や南東伯の建設現場で働こうと淡い期待を持って移住するが、季節外れの出稼ぎ者には就職口も少ない。サンパウロ州パラドポリスでは、食料や毛布、薬などの支給希望者が増え続け、5月は2300件だった受給者登録数が10月は3千件に増えている。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button