ニッケイ新聞 2012年11月2日付け
10月の全国市長選の後、ジウマ内閣と労働者党(PT)が、台頭著しいブラジル社会党(PSB)の扱いに手を焼いていると、1日付エスタード紙が報じている。
ペルナンブーコ州のエドゥアルド・カンポス知事率いるPSBは、市長数を131人増やして441人とし、州都の市長数(5人)では1位となるなど、今回選挙で大躍進した。PSBは連立与党の一つだが、PTには味方であると同時に脅威を感じる存在になり始めている。
カンポス氏は決戦投票の後、ジウマ大統領とPT宛にメッセージを残した。カンポス氏は「今回の選挙でPSBがPTに手を貸した市の方が、PTのPSBへのそれに比べて多かった」と語っている。PSBはPTの市長候補を11市で応援したのに、PTがPSB候補を応援したのはリオ州ドゥッキ・デ・カシアス1市に過ぎなかった。
このメッセージは何らかの見返りを求めたものと受け止めたジウマ大統領は、6日にPTや民主運動党(PMDB)の首脳たちと会議を行なった後、カンポス氏と会う予定でいる。PTが恐れているのは、PSBの大臣の増加だ。同党の大臣は港湾相と全国統括相の2人だが、いずれも動かす予算や影響力が大きく、PTやPMDBとしては国政への影響力をこれ以上持たせたくない。
PT首脳陣の間では、サンパウロ市市長選の決選投票でハダジ氏の支援に回り、同氏の勝利に貢献したPMDBのガブリエル・シャリッタ氏に大臣職を与えるべきとの考えが有力で、カサビサンパウロ市市長が率いる社会民主党(PSD)の処遇も課題となっている。
一方、PTにはPSBとの同盟関係の保持が不可欠なことも事実だ。それはカンポス氏の14年大統領選への出馬が噂されており、影響力の強い同氏を対立候補に迎えるのを阻止したいためだ。