ニッケイ新聞 2012年11月7日付け
サンパウロ州で、ブラジル初の大型肉食恐竜の骨が発見されていたことが明らかとなった。5日付フォーリャ紙が報じている。
発見地はバウル盆地のプレシデンテ・プルデンテに近いアルフレッド・マルコンデスの岩山で、発見者はミナス・ジェライス州のウベルランディア連邦大学のカルロス・ロベルト・カンデイロ氏とリオ連邦大学のリリアン・パグラレリ・ベルクヴィスト氏が指揮するチームだ。発見日時は明らかにされていない。
見つかったのは今から約1億〜9300万年前の白亜紀に存在したとされるカルカロドントサウルスで、肉食恐竜で最も有名なティラノサウルスのライバルとして知られている。発見された骨は、上あご右側の歯の上の部分で、長さは約13センチほどだ。
今回見つかった骨をもとに恐竜の大きさを推測したところ、頭蓋骨の長さは80センチ、体長は約10メートルで、成獣で13メートルといわれているカルカロドントサウルスとしてはやや小ぶりなようだ。
カンデイロ氏らはアルフレッド・マルコンデス近くのフローリダ・パウリスタでも別の恐竜の骨を発見したが、こちらの種は判別不能だという。
バウル盆地はブラジルにおける恐竜発掘地帯で、2004年に草食のチタノサウルスが発見されたほか、少なくとも5種類の恐竜の骨が発見されている。これらの恐竜は現在のワニの親戚に当たり、完全体で発見された骨もあるが、今回発見された骨が一部分しか発掘されてない理由は不明だ。カルカロドントサウルスの生存期間は、白亜紀終盤の数100万年で比較的短い。また、白亜紀の後に哺乳類の時代がはじまるが、古代の哺乳類の骨が見つかることはほとんどないという。
カンデイロ氏らは、今回発見した骨の分析結果を、白亜紀や恐竜研究の国際的な科学雑誌「クレタセウス・リサーチ」にも発表した。