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PUC—SPで校舎占拠=新学長選出に猛烈に反対

ニッケイ新聞 2012年11月15日付け

 カトリック総合大学サンパウロ校(PUC—SP)で、学長選出に異議を唱える学生が校舎の占拠を行なった。14日付伯字紙が報じている。
 PUC—SPの学生たちは13日の総会でスト突入を決め、サンパウロ市西部ペルジゼスの同校本部棟を占拠した。これはオジロ・ペドロ・シェレールサンパウロ市大司教が、学内選挙で3位だったアンナ・マリア・マルケス・シントラ氏を学長に指名したからだ。学内選挙の1位は現学長のジルセウ・デ・メロ氏だった。
 学長選出の権限をもつ人物が、学内選挙で1位ではなかった候補を学長に指名するのは珍しいことではない。サンパウロ総合大学(USP)でも2009年、当時のジョゼ・セーラサンパウロ州知事が、学内選挙で2位だったジョアン・グランジーノ・ロダス氏を学長に選出している。
 だが、「本校ではこれまで選挙で1位となった候補が選出されつづけてきた」と学生が反発。教員や職員たちも不満を示し、教員と職員それぞれの組合が「オジロ大司教はわれわれがこれまで築き上げて来た伝統を壊した」との抗議文を発表した。抗議には選挙で1位だったジルセウ氏に票を投じてない人たちも加わっているという。
 オジロ大司教によって選出されたシントラ氏は、学内選挙で300票が無効票になったことに疑問を呈していたが、仮にその300票がシントラ氏に入っていても、ジルセウ氏の勝ちだったという。学生たちは、シントラ氏は、仮に学長に指名されても職務を引き受けないという内容の書類に既に署名をしたと主張しているが、シントラ氏はそれについて何も語っていない。
 シントラ氏はPUC—SPの出身者で、同校の大学院委員会の委員長や人文科学部長、ポルトガル語部長などを歴任し、現在は同校大学院のポルトガル語の授業を担当している。