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空港公社に17億レ出資=W杯へ向け遅れ許されず

ニッケイ新聞 2012年11月17日付け

 14年のサッカー・ワールドカップに向けた工事の遅れを挽回するため、政府は13年、空港インフラ業務公社(Infraero)に17億レアルを投資する見込みと16日付フォーリャ紙が報じている。
 同社がこのような大型投資を受けるのは、航空事故が続き、政府と軍、航空運営者たちとの間で対立が生じた07年以来のことだ。当時の投資額は5億600万レアルだったから、インフレ調整後の金額では120%増の投資となる。
 Infraeroによると、政府からの投資が必要な理由は、今年2月のグアルーリョス、カンピーナス、ブラジリアの主要3空港の運営権委譲により、収入の38%を失ったためだ。これによって空港ターミナル改修のための費用捻出が難しくなり、12月までの予算20億レアル中、8月までの支出額は5億9千レアルに過ぎない。
 17億レアルの大半は、2月の3空港の入札で、コンソーシオが国に支払うことになっている金額から回される予定だ。コンソーシオは初年度末までに国に12億レアルの支払い義務があるが、このうちの10億レアルがInfraeroに回されるという。
 また、17億レアルのうち3億レアルは、Infraeroが3空港をコンソーシオと共同運営するための資金だ。同社は49%の経営権を持つことになっているが、同社が公約を遵守しなければ経営権が縮小され、運営での影響力が落ちる。
 政府側はこの投資で、13年のサッカーのコンフェデレーション杯、14年のW杯、16年のリオ五輪と続く国際イベントでの混乱を避けたいとしている。Infraeroが数年間で整備する予定の空港は21だが、W杯向けの施設増設だけで23億レアルが必要とされており、同社だけの財力ではとても追いつけないのが現状だ。