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経済危機下のイ米首脳会議=ジウマ大統領初参加=緊縮財政に批判が集中=雇用拡大に成長路線採択

ニッケイ新聞 2012年11月20日付け

 スペインのカディスで16〜17日に開かれたイベロアメリカ首脳会議は、経済危機のさなかでラ米を頼りにするスペイン・ポルトガル両国の立場を浮き彫りにしつつ、「カディス宣言」と「行動計画」を採択して閉会したが、ジウマ大統領は19日もスペインに止まり、高速鉄道(TAV)の誘致を行うと17〜19日伯字紙が報じた。

 ユーロ圏がリセッション(景気後退)入りと発表された直後のリベロアメリカ首脳会議は、初日から「緊縮財政へ批判集中」と報道され、初参加のジウマ大統領も、成長路線をと強調した。
 イベロアメリカ首脳会議は、1991年からスペイン、ポルトガルと、両国の旧植民地であるラテンアメリカ諸国が参加して開催される会議で、2001年にプエルトリコが準加盟国となって以来、04年にアンドラが正式加盟、09年にフィリピンと赤道ギニアが準加盟。現在の加盟国は22、準加盟国と地域は3で、今後はアフリカ大陸のポルトガル語諸国の加盟も予想されている。
 同会議では、マウヴィナス諸島やキューバなどのラ米絡みの話題の他、イスラエルとパレスチナの抗争、国際経済危機などが議題に上った。スペインやポルトガルの債務や失業拡大は世界的に知られ、カディス周辺は失業率35%超と特に厳しい。会議中も雇用や保健衛生悪化に対する抗議行動が繰り広げられた。
 このような状況下、エクアドルのラファエル・コレア大統領が「スペインが経済危機から脱却するために必要なのは、国際通貨基金(IMF)の言う事に従わない事」と発言。ジウマ大統領も、IMFが勧める緊縮財政に従った1980〜90年代はブラジルにとって失われた時代となったとした上、成長路線抜きに経済浮上はないと語った。
 とはいえ、ラ米諸国とて決して順風満帆ではない。16日に発表された2012年のラ米の経済成長見通しは、前回4・4%だったものが3・2%に下方修正され、13年の成長も4・0%と予想されている。
 それでも、年末の失業率は6・5%の予想で、欧州の11・5%よりかなり低いのがラ米だ。国連開発計画(Pnud)の担当者が「先進国から見ればうらやましいほど成長している」といい、経済開発協力機構(OECD)も「危機に対する抵抗力あり」と表現しているが、それでも欧州危機の影響は免れられない事を裏づけるのが、成長率の下方修正だろう。
 同会議では、イ米企業の95%を占め、雇用の80%、国内総生産(GDP)の60%を占める中小企業の重要性を強調し、雇用拡大のために経済成長路線をとる事を再確認した。
 ジウマ大統領は、同会議閉会前にスペインのラ米投資は1150億ユーロと発表したマリアノ・ラホイ西首相と19日に会見し、サンパウロ州〜リオ間のTAV入札にスペインも参加するよう要請する。に会見し、サンパウロ州〜リオ間のTAV入札にスペインも参加するよう要請する。