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月謝の安い私立校が人気=サンパウロ市の小中学生の38%

ニッケイ新聞 2012年11月20日付け

 Cクラスの増加に伴い、サンパウロ市では月々の月謝が500レアル未満の小中学校や高校が増えている。19日付フォーリャ紙が報じている。
 ダッタフォーリャによると、全国のCクラス人口は2001年から11年に57%から63%に増え、D・Eクラスは33%から28%に減っている。一方、サンパウロ市の私立小学〜高校962校の生徒の38%は月謝が500レアル未満の学校に在籍し、その数は10年前と比べ147%増えた。月謝が500レアル以上の学校の生徒は同時期に15%増え、公立校の生徒は14%減少した。
 また、月謝500レアル未満の私立校の47%は10年以内に出来た新設校だが、月謝が500レアル以上の新設校は23%のみだ。月謝500レアル未満の学校は東部(58%)、北部(43%)、南部(39%)に多く、西部は9%、中央部は8%と少ない。
 市北部のノッサ・セニョーラ・ダス・グラッサス校の月謝は258〜492レアルで、2000年の開設時85人だった生徒数は、今日では750人まで増えた。うち4割は、5年生のときに行なう2度目の生徒募集の際に公立校から転校した生徒だという。
 リオ連邦大学のアウヴァロ・クリスピーノ教授はこうした現象について「子供を私立校に入れて保健プランに入るのが見栄えがいい、という社会的風潮もあるからではないか」との見方を示している。また、公立校で起こる暴力を親が避けたがる傾向もあるという。
 だが、「500レアルという額は公立校の生徒にかかる経費の約2倍ではあるが、この額で良い教育が施されるかは疑問だ」というサンパウロ総合大学(USP)のジョゼ・マルセリーノ・デ・レゼンデ・ピント教授のように、昨今の現状に疑問を投げかける教育関係者も少なくない。