ニッケイ新聞 2012年11月20日付け
オスカール・ナカザト氏の小説『Nihonjin』のジャブチ賞受賞について、その審査基準に異議を唱える声があることを、受賞後に複数のメディアが伝えた。
3人の審査員の一人が重鎮の作家の作品に極端に低い点数を、ナカザト氏の作品には満点に近い点数を付けたことで、「作品の質ではなく、新人だからという理由で優遇したのではないか」という異論だ。
ナカザト氏は昨年、パラナ州アプカラナであった桜祭りで作品の紹介をしており、記者もその場に居合わせていた。舞台での賑やかなショーの合間、彼の説明にはほとんど誰も耳を傾けていなかったように見えたが、今回の受賞で大いに注目されたに違いない。
本人にしてみれば受賞にケチをつけられたようなもので複雑だろうが、受賞は受賞だ。未だ皆無に近い日系人の当地文芸界進出に期待。(詩)