ニッケイ新聞 2012年11月22日付け
ゴイアス州を発端とする大型汚職事件の主犯として今年2月に逮捕された賭博師のカルロス・カショエイラ被告に対し、連邦直轄区裁判所で20日、6月の別件逮捕に関する裁判が行なわれた。同被告は懲役5年の判決を受けたが、拘留期間が切れたとして21日未明に釈放された。21日付伯字紙が報じている。
カショエイラ被告はゴイアス州と連邦直轄区でのスロットマシーンによる大型賭博を巡り、連邦警察のモンテ・カルロ作戦によって2月29日に逮捕された。同件では、建設会社のデルタ社のほか、アギネロ・ケイロス連邦直轄区知事(労働者党・PT)やマルコーニ・ペリーロ・ゴイアス州知事(民主社会党・PSDB)など、少なくとも六つの政党の政治家の関与が浮上し、そのひとりであるデモステネス・トーレス上院議員(元・民主党・DEM)が7月に議員職の罷免処分を受けていた。
カショエイラ被告は6月にもモンテ・カルロ作戦の延長であるサン=ミシェル作戦で再逮捕された。これは連邦直轄区における交通機関の自動券売機の運営権を巡る入札で、同被告が運営する企業が不正を行なった容疑での逮捕だった。
20日の裁判はサン=ミシェル作戦に関するもので、カショエイラ被告は犯罪組織形成で2年、政治家への賄賂の見返りに便宜を図らせる利益誘導で3年の計5年の実刑判決(昼間の外出が許可されるセミ・アベルト)と3千レアルの罰金を言い渡された。
刑の執行は連邦直轄区裁判所の判決が官報に掲載されてからで、同裁判所判事は、拘留期間が過ぎたからカショエイラ被告は自宅に戻ってよいとの許可を与えた。カショエイラ被告にはモンテ・カルロ作戦の裁判が残っており、結果によっては刑務所に逆戻りする可能性があるが、とりあえず266日で出所が叶った同被告は、傍聴のために来ていた妻らとともに21日にゴイアニアの自宅に戻った。
同裁判ではデルタ社の元理事2人に3年6カ月の実刑判決と罰金刑、カショエイラ被告の右腕的存在のグレイブ・フェレイラ・ダ・クルス被告に5年の実刑判決と罰金刑が言い渡されたが、クルス被告も釈放された。
だが、カショエイラ被告にとって裁判は終わりではない。モンテ・カルロ作戦に関する議会調査委員会(CPI)は21日から再開され、そこではペリーロ・ゴイアス州知事の証人喚問が要求される見込みだ。また事件への関与が疑われているラウル・フィーリョ・トカンチンス州パルマス市長(PT)やゴイアス州選出のカルロス・アルベルト・レレイラ下院議員(PSDB)の証人喚問も予想されている。