ニッケイ新聞 2012年11月23日付け
2009年に法案として提出された、国民の読書や映画・演劇観賞促進のための「文化手当て」が21日、下院で承認された。22日付フォーリャ紙が報じている。
「ヴァーレ・クルトゥラ」と称す手当ては、読書や映画鑑賞などの文化的な行為を推奨するために、毎月50レアルを支給するというものだが、21日下院では、支給対象を「最低賃金の5倍(3110レアル)以下の月収の人」とし、公務員や定年退職者、研修生は対象から除外した。
この手当ては文化省に登録されている企業が発行する磁気カードの形で支払われるようになると見られている。手当ての支給は義務ではなく、その金額も、10%にあたる5レアルまで減額することが可能だ。「労働者文化プログラム」に加入し、手当てを支給する雇用者は2017年まで、所得税申告の際、文化手当てとして支給した分の金額を、納税額の1%を上限に控除できる。
文化手当てはルーラ第2次政権の2009年、当時のジュッカ・フェレイラ文化相(緑の党・PV)によって提案された法案で、同年のうちに下院の審議にかけられた。だが、当時の提案は支給対象に定年退職者や連邦公務員を含んでいたため、「国の負担が大きい」と反発を招き、それ以降、積極的に審議されていなかった。
今回下院で承認された法案は審議当日に変更が加えられたが、この変更は、今年9月にアナ・デ・オランダ前文化相から任務を引き継いだマルタ・スプリシー文化相の意向に沿って行われた。マルタ氏は、文化手当ての承認を、文化相としての優先課題の一つと考えている。
今回下院で承認された法案は、上院での審議にかけられた後、大統領の裁可、発効となる。