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ENEMの優秀校発表=オブジェッチーヴォが席巻=成績の悪さ目立つ公立校

ニッケイ新聞 2012年11月24日付け

 22日、2011年度の国家高等試験(ENEM)の結果が発表され、サンパウロ市のコレージオ・オブジェッチーヴォ・インテグラードが2年連続で1位となった。また、教育の質の低さが指摘されている公立校の成績の悪さも目立った。23日付伯字紙が報じている。
 全国1位になったサンパウロ市中央部パウリスタ大通りにあるオブジェッチーヴォ・パウリスタ校は、全受験生の平均で737・15点を獲得。2位はミナス州イタチンガのコレージオ・エリッテ・ド・ヴァーレ・ド・アッソで、ミナス州は上位10校に4校が入った。サンパウロ州からは、サンパウロ市のコレージオ・ヴェルチス・ウニダーデ2が4位、オブジェッチーヴォ・インテグラードのモジ・ダス・クルゼス校が7位にランクインした。
 オブジェッチーヴォは12位にタウバテー校、41位にサントス校が入るなど意気盛んで、同校グループのジョアン・カルロス・ディ・ジェニオ会長は「優秀な生徒と、数10年の実績を誇る教師陣によるものだ」と語っている。世界数学オリンピックなどの王者で、11年に17歳で米国のハーヴァード大学に合格したグスターヴォ・ハダジ・ブラガ君もサンジョゼ・ドス・カンポス校の生徒だった。
 教育省は今年、優秀校のリストの上位に入っている学校は「平均点を上げるために成績優秀者だけを受験させている」と批判する声もあることを考慮し、学校単位の評価基準を変えた。22日に発表したリストには対象学年(高校3年)の生徒が半数以下しか受験しなかった学校が含まれておらず、ENEMを受けたがリストから外された学校は55%に上る。サンパウロ州でも昨年全国3位だったコレージオ・サンタクルスなど、上位50校までに入っていた12校が今年のランキングから姿を消している。
 一方、以前から教育の質が低いとされている州立校の成績はふるわず、平均点が全国平均以下の学校が92%に上った。州立校の成績が最も良かったリオでさえ、全国平均を上回った学校は18%に過ぎなかった。全国の上位50校に入った公立校3校はみな国立校で、州立校の最上位はリオ州立大学付属校の60位。サンパウロ州の州立校最上位はサンパウロ市ボン・レチロにある州立専門校のETE・デ・サンパウロの74位だった。州立の普通校は248位にやっと登場。全国の私立高校の割合は12・2%に過ぎない。
 だが、アロイジオ・メルカダンテ教育相は、公立校の受験者の上位12・5%の平均点は630・4点で私立校受験者の平均569・2点を大きく上回っていることを評価、「公立校のエリートたちは非常に優秀で、どこの大学でも立派な成績がとれるはずだ」と語った。